平成06年06月07日 衆議院 法務委員会

[072]
日本共産党 正森成二
3月4日の未明ですね、午前1時ごろだそうですが、浦和市にお住まいの東京高裁の部総括判事の近藤さんのところでどかんという大きな音がして金属弾と思われるものが打ち込まれたという事件があったようであります。警察庁においで願えないかと言っておりますので、この事件の概要や捜査の状況がどうなっているか伺いたいと思います。

[073]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 谷口宏
御指摘の事件は、平成6年3月4日金曜日でございますが、午前1時ごろ、埼玉県浦和市元町所在の、当時東京高等裁判所判事の近藤和義氏、61歳宅に対しまして金属弾が発射されました。同判事宅の外壁に着弾しまして、さらに発射弾の胴体部分が隣家の物置に落下いたしまして破損しましたという事件でございます。人的被害はございません。

捜査状況でございますが、埼玉県では本件に関しまして捜査本部を設置して捜査しているところでございますが、革労協の狭間派が3月6日の日曜日に都内の報道機関に対しまして犯行声明を郵送したことから、革労協狭間派の犯行と見まして現在鋭意捜査中でございます。

[074]
日本共産党 正森成二
3月6日に犯行声明を出したのは、私どもの承知しているところでは革労協と名のるグループであったというように承知しておりますが、この事件は狭山事件と関係があるのではないか、こういうように言われております。

といいますのは、76年の9月に、二審判決で無期懲役を言い渡した東京高裁の寺尾判事が車で出勤途中に過激派と見られる5人組にバットで襲われて負傷するという事件が起こっております。

さらに90年10月には、判事として一審を担当したことのある弁護士の自宅が放火されて雨戸などが焼かれたということが報道されております。

近藤さんは東京高裁の第四刑事部の裁判官となって狭山裁判の第二次再審請求の審理を裁判長として引き継いでおられたそうですが、再審請求をめぐって最近、請求の棄却が迫っているなどとしていた過激派がいるということも言われております。

そして、近藤さんは年齢が60歳くらいだそうですが、この犯行のあったその日あるいは翌日ですか、退官をせられているのですね。まだ定年までは間があったと思うのですが、これについて東京高裁の事務局長は、「事実関係は調査中だが、近藤判事の担当していた何らかの事件の処理に関係するものだとすれば、大変遺憾だ」というように言っておりますし、当時の日本弁護士連合会の阿部会長は、「裁判を妨害し、何らかの影響を及ぼす意図があったとすれば、司法に対する悪質な挑戦で、憤りを禁じえない」という趣旨の談話を発表しております。ですから、単純な犯行ではないのではないか。特に、裁判官が退官するというようなことと何らかの因果関係があれば、これは非常に問題であるというように思いますが、重ねて警察庁もしくは裁判所の御見解を承りたいと思います。

[075]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 谷口宏
事件後の3月6日に都内の報道機関に対しまして革労協の革命軍軍報が郵送されました。また、革労協狭間派の機関紙「解放」、平成6年の3月15日付でございますけれども、この犯行を自認する内容の記事が掲載されました。その中を見ますと、第二次再審棄却を策謀せんとすることに対しての革命的鉄槌である云々というふうな内容が書かれておりまして、狭山闘争に関連しましたゲリラ事件と見て鋭意捜査中でございます。

[076]
最高裁判所長官代理者(最高裁判所人事局長 堀籠幸男
近藤判事は東京高裁の長官代行を約2年近くにわたってやっておられた方でございまして、かねてから勇退したいという意向を示しておられたわけでございまして、その発令が本年の3月4日になったという関係でございます。

私どもといたしましては、狭山事件を担当していたとか金属弾が自宅に撃ち込まれたということを契機として退官したものではないのではないかというふうに考えているところでございます。

[077]
日本共産党 正森成二
事前にもうおやめになるということであれば、この事件があったからおやめになったということは、おっしゃるとおりないかもしれませんが、逆に言えば、犯行を行った者が、3月4日にやめるということを知っておって、それで犯行を行ったという可能性がますます強くなると思うのですね。そういう意味では、警察庁になるのか検察庁になるのかわかりませんが、やはりしかるべき捜査をしていただく必要があるというように思います。

法務大臣がおられますので、警察の捜査がある程度熟せば検察庁にも上がってくるわけですが、政治家としてでも結構ですから、御感想がございましたら一言承って、時間が大体なくなりましたので、終わらせていただきたいと思います。

[078]
法務大臣 中井洽
御質問は承っております。

先生のお話の御趣旨と違うかもしれませんが、いやしくも裁判官あるいは検察官が暴力等によっておどかされる、このようなことがあっては断じてならないと考えております。

平成04年05月19日 参議院 地方行政委員会

[275]
日本共産党 諫山博
警察白書によると、平成2年1月から12月までの極左暴力集団、私たちは、にせ左翼暴力集団と呼んでいますけれども、極左による皇室闘争関連のテロ・ゲリラ事件は127件となっています。

組織ごとに、何件事件を起こしたのか、何件検挙したのか、検挙率はどうなっているのかということを説明してください。

[276]
政府委員(警察庁警備局長) 吉野準
皇室闘争関連極左暴力集団の闘争でありますが、件数は御指摘の127件でございます。

組織別では、中核派が111件、それから革労協狭間派というのがございますが、これが14件、もう一つ戦旗・荒沢というのがございますが、これが2件でございます。

これらの事件の検挙でありますが、3件7名ということでございます。

[277]
日本共産党 諫山博
天皇問題で大変な警備体制をとったということは今説明がありました。ところが、平成2年の1月から12月までに127件テロ・リンチ事件が起きているわけです。3件しか検挙されていないということですけれども、中核派、革労協、戦旗・荒沢、これはそれぞれどのくらいの人員を擁しているのか、そしてこういうグループが事件を起こしたということがどうしてわかったんですか。

[278]
政府委員(警察庁警備局長) 吉野準
勢力人員でございますが、中核派の場合は約5000人、それから革労協、これは今狭間派と申しましたが、もう一つの派閥があるわけでありまして、それを合わせますと全体で約2500人、それから戦旗・荒沢、これは約700人の勢力を擁しております。

どうしてわかったかというお話でございますが、これは一つには犯行声明というのを出します。それから、それだけではなくて、累積的な今までの事件の積み重ねがございますので、いろいろな手口がございます。こういうものも私どもは分析しておりますので、そういうものを総合いたしましてそれぞれの犯行というふうに決めたわけでございます。

[279]
日本共産党 諫山博
法務省に質問します。

法務省からいただいた資料によりますと、極左暴力集団によるテロ・内ゲバ事件の発生件数と起訴件数は次のようになっています。

読み上げます。

昭和58年20件発生、起訴0。
昭和59年59件発生、起訴1件、起訴率は1.7%。
昭和60年99件発生、起訴4件、起訴率は4%。
昭和61年98件発生、起訴5件、起訴率は5.1%。
昭和62年41件発生、起訴2件、起訴率は4.9%。
昭和63年42件発生、起訴2件、起訴率は4.8%。
平成元年28件発生、起訴0。
平成2年152件発生、起訴2件、起訴率は1.3%。
平成3年30件発生、起訴1件、起訴率は3.3%。

合計すると、569件発生して起訴したのは17件、起訴率は3%。間違いありませんか。

[280]
説明員(法務省刑事局公安課長) 馬場義宣
お説のとおりでございます。

[281]
日本共産党 諫山博
もう少し警察白書のことを聞きます。

警察白書を読みますと、極左暴力集団による即位の礼当日のテロ、ゲリラ発生は、6都県で40件とされています。どういう罪名で事件を起こしたのか、検挙件数は何件あったのか、説明してください。

[282]
政府委員(警察庁警備局長) 吉野準
罪名でございますが、迫撃弾を発射したものが9件でございまして、これはいろいろございますが、爆発物取締罰則違反ということでございました。

それから金属弾を発射したものがあります。これは器物損壊等に当たると思います。それから放火、これが30件ほどございます。

全部で40件でございまして、検挙につきましては現在なお捜査継続中でございまして、現在時点では検挙はございません。

[283]
日本共産党 諫山博
即位の礼の当日起きた事件を今なお捜査中といっても、これはなかなか捕まらぬのじゃないかと思いますけれどもね。

もう一つ、大嘗祭当日の極左暴力集団によるテロ、ゲリラは、7府県11件とされています。主な罪名は爆発物取締罰則違反と放火、そして検挙なしじゃないですか。

[284]
政府委員(警察庁警備局長) 吉野準
数字は御指摘のとおりでありまして、事件につきましてはなお捜査継続中ということでございます。

[285]
日本共産党 諫山博
法務省に質問します。

法務省からいろいろ資料をいただきましたけれども、この10年間に極左暴力集団のテロ・内ゲバ事件で何名死者が発生したのか、その中で起訴されたのが何名いるのか、説明してください。

[286]
説明員(法務省刑事局公安課長) 馬場義宣
テロ・ゲリラ事犯で死者が出た件数でございますが、昭和58年から申し上げます。58年は1件。59年、60年と死者が発生した事件はございません。61年になりまして2件。62年はございませんで、63年に1件、平成元年に3件、平成2年に3件、平成3年に1件、合計で死者が発生した事件数は11件でございます。

そして、起訴の関係でございますが、死亡した事件で起訴した事件はございません。

[287]
日本共産党 諫山博
成田空港に関する極左暴力集団のあの妄動、あれで何人ぐらい死者が発生し、何人起訴されましたか、法務省。

[288]
説明員(法務省刑事局公安課長) 馬場義宣
検察において昭和58年から平成3年までの間に起訴した事件のうち、成田の関連のゲリラ事犯と認められるものは昭和59年の1件、昭和60年の1件、昭和61年の2件、昭和62年の1件、昭和63年の1件であり、被害者が死亡した事例はその中にはございません。

なお、成田関連の内ゲバ事犯というものの起訴事例はございません。

[289]
日本共産党 諫山博
あの成田事件では、数え切れないぐらい刑事事件が発生しています。死者も非常に多いと思います。ところが、起訴された事件はほんのわずか、死者が出た事件はだれ1人起訴されていないという現状のようですけれども、警察の検挙はどうなっていますか。

[290]
政府委員(警察庁警備局長) 吉野準
私どもは、昭和46年以降で申し上げたいと思うのでありますけれども、死者の出た事件は6件発生しておりまして、人員でいきますと10人の方が亡くなっております。このうち検挙した者でございますが、昭和46年の9月16日に発生いたしました成田第二次代執行阻止闘争事件というのがございますが、これでは123人を検挙いたしております。その他の事件については、継続捜査中でございます。

[291]
日本共産党 諫山博
法務省にお聞きしますけれども、一般的に殺人事件の検挙率は95%を上回っているんじゃないですか。これは警察に答弁を求めましょうか。

[292]
政府委員(警察庁刑事局長) 國松孝次
そのとおりでございます。

[293]
日本共産党 諫山博
極左暴力集団に本気で警察は対処しているのか、泳がせているのではないかという批判が非常に強いですよ。それは当然です。彼らの犯行によって、何人も何人も死者が出ております。殺人事件の検挙率は例年95%を超しております。ところが、これほどの事件が検挙もされない、起訴もされないというのは、本気でやってないとか泳がせていると言われてもしょうがないじゃないかと私は思います。

彼らの事件で一番多い罪名は、爆発物取締罰則違反、もう一つは放火事件、もう一つは殺人事件。これは、刑事事件としては非常に犯人を捕まえやすい事件なんですよ。たくさんの証拠が残るのが放火事件だし爆発物事件だし殺人事件でしょう。しかも、爆発物取締罰則違反というのは、爆発物を使用しただけではなくて、持っていてもひっかかる、情報を知っていてそれを届けなくてもひっかかる、がんじがらめに処罰できるような規定ができている、これが爆発物取締罰則違反です。ところが、この殺人事件の中には本当に気の毒な一般家庭の主婦とか、全くの巻き添えというような事件が何件もあります。そして、犯行声明までされている。警備局長、なぜこれが捕まりませんか。

[294]
政府委員(警察庁警備局長) 吉野準
今、泳がせているんではないかという御指摘がございましたが、これはぜひともはっきりお答えいたしておかなければいけないと思いますが、さようなことは断じてございません。

そこで、なぜ捕まらないかということでございますが、確かに私ども努力不足の面もあろうかと思いますけれども、あえて申し上げますと、殺人、爆発、放火、一般の例と並べて比較されましたけれども、手口が全く違うわけです。爆弾を仕掛けるにしましても放火をするにしても、時限式発火物というものを使います。さらにまた、その装置が燃えまして、全部証拠が隠滅するようになっております。さらに申し上げますと、事前に大変綿密な調査部隊の調査がございまして、そういうことでなかなか、私ども前足、後足と言っておりますけれども、そういうものがとりにくいということで、捜査が非常に難しいという面があるのを御理解いただきたいと思います。

[295]
日本共産党 諫山博
私、事前にいろいろ警察の関係者と話し合いました。極左との知恵比べですよというような言い方をしているんですね。知恵比べだったら25万もいる警察が負けているじゃないですか。彼らはやりほうだいのことをやっている。私は、毅然とした態度であの極左暴力分子に鉄槌を加えていただきたいと思いますけれども、国家公安委員長の決意はどうですか。

[296]
自治大臣・国家公安委員長 塩川正十郎
私は、就任以来、暴力団対策と右翼、そしてさらには極左、こういう社会不安をつくっていく、暴力に訴える団体に対して断固たる処置をしてほしいということを言っておりますし、現に、先ほども警察庁長官が言っておりますように、あらゆる能力を結集してその方向に投入しておるわけでございます。

今後も一層の努力をして、少しでもそういう不安を持たないように、国民がそういう不安から解放されるように、一層の強い指導に努めていきたいと思っております。

昭和61年03月06日 衆議院 予算委員会第一分科会

[088]
日本共産党 梅田勝
ここに、京大教養部学生自治会が出しましたビラを持ってまいりましたが、ことしの1月20日に、授業中の京大教養部の構内におきまして、いわゆるにせ左翼暴力集団の中核派と称するものがおりますが、それに属すると言われております1人の学生が殺害されるという事件が発生をしたわけであります。これは、一般新聞が報道いたしておりますような、大学職員が「若い男性が後頭部から血を流し倒れているのを見つけ119番」したというような程度のものではございませんで、まさに朝の授業中、教室の横の廊下におきまして殴り殺されているのですね。その悲鳴に驚いた授業中の学生が飛んでいって、そしてみんなが取り囲んでいる、中にはとめに入る者もおるという状況の中で、まさに騒然たる状況のもとで殺人事件が起こっておる、全く驚くべき衝撃的な事件でございます。

ですから、「こんな恐しい大学はもうがまんできない! 遂に殺人事件が! 当局は一体、何をしている!」ということを書かれ、「殺人者集団がのし歩く大学では、安心して学べない!」ということで強く善処が求められているわけでございます。

ところが、この事件が起こりました直後、いわゆる革マル派というものが、その機関紙におきまして公然と犯行声明を出しているわけであります。私は、まだその犯人が逮捕されたというニュースを耳にしていないわけでございまして、まことに遺憾きわまることでございます。

京都大学は言うまでもなく国立大学でございまして、毎年相当な予算がつけられているはずでありますし、会計検査院も毎年検査に入っておられると伺っております。先ほど申し上げたように、安心して勉学に精励できない、それから、大学の研究者も落ちついて研究ができないということになりますと、国費がむだにということになりかねないわけでございまして、何としても正常に戻す必要があるわけであります。



[090]
日本共産党 梅田勝
今申し上げたように、会計検査院の方が立入検査で入ろうとした、それが阻害されてできなかった、こういう事態は異常なんですね。それどころか、授業中に殺人事件が起こる。全く驚くべき事態だと思うのですね。

第1点は、京都大学におけるこのような異常な事態についてどのように考えておるか。

第2点は、昨年も後期におきまして教養部において中核派のバリケードが築かれて封鎖されて、教養部全体の授業ができなかった、こういう事態が何回か起こったようでございますが、事実かどうか。

第3に、教養部におきましては教養部の部長室がないという事態が続いておるようでございますが、この3点についてどのような御認識を持っておられますか。

[091]
説明員(文部省高等教育局学生課長) 佐藤孝安
まず1点の、1月20日の学生の死亡事件でございます。確かに先生の指摘のとおりでございまして、1月20日に教養部の構内におきまして学生が白ヘル数名の暴行を受けて死亡した、こういう事態がございます。これにつきましては、私どもといたしましてはこのような事態は理由のいかんを問わず承服できない事件でございます。容認できない事件でございます。特に大学といいますのは要するに研究、教育にふさわしい平穏な状態に常に保たれているということが一番大切なことでございますので、こうした事件が今後二度と起こらないようにまた指導を強めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

それから2点目でございますが、京都大学で起こりました60年度の事件といいますと、教養部で封鎖が1回ございます。それから文学部で授業放棄それから封鎖が行われているところでございます。その報告がございます。

それから第3の、部長室がないということでございますが、これも現在事実でございます。

[092]
日本共産党 梅田勝
ついでに聞いておきますが、この1月20日の犯人は逮捕されましたのですか。

[093]
説明員(文部省高等教育局学生課長) 佐藤孝安
ただいま警察当局で調査中でございまして、まだ捕まったというわけではございません。

昭和61年01月23日 参議院 決算委員会

[217]
日本共産党 佐藤昭夫
この間の1月20日に京都大学でいわゆる中核派と革マル派による内ゲバ殺人事件、これが発生をしました。この際、この問題に関係して少し聞いておきたいと思うんですけれども、とにかく白昼、つい隣の教室では授業が始まっている、こういう状況のもとで暴力学生集団の殺人事件が起こったということでまことに許すべからざる事件であります。我が党は大学を舞台にした一部学生による授業妨害や暴力行為、こういった行動についてその根絶のために関係者の毅然たる対処を早くから要求をしてきたということは、これは教育の分野でずっと仕事をされてきた海部さんもよくよく御承知のところだろうと思いますけれども、しかし現状まだ完全に根絶をされたという状況にはなっておりませんね。

京都大学でも私の調べたところではこの3年間で7件の暴力事件が起こっている、昨年はかなりの負傷者も出る事件が起こりました。

それから、いわゆる授業妨害行動、バリケードを築いて教員が入れないようにして授業をつぶしてしまう、あるいは何かの集会をやるということでそれを授業が予定をされている教室にわざわざぶつけて、そして事前にそこが占拠される、したがって授業ができない、こういうことが少なくとも去年の後半期2回、京都大学なんかでは起こっている。これは京大だけじゃない、全国的に大なり小なりあることじゃないかというふうに思うんですが、京大でのこういう事態については文部省御存じですか。

[218]
政府委員(文部省高等教育局長) 大崎仁
1月20日の午前10時30分ごろに京都大学の教養部A号館の2階におきまして暴力事件が発生をいたしまして、ついに被害者が死亡に至っだということは承知をいたしております。

[219]
日本共産党 佐藤昭夫
それはもう新聞でもテレビでも書いているから、承知しているのは当たり前。暴力事件が今回たまたま発生したということじゃない、ずっと続いている、3年間に7件も起こっている、授業妨害行動も後を絶ってない、こういうことを知っていますか、詳細、いつ、何月何日、負傷者が何人と、そこまで私は聞いておるわけじゃない。そういうことを知っていますかと。

[220]
政府委員(文部省高等教育局長) 大崎仁
京都大学も含めまして一両年遺憾ながら学内における学生の暴力事件ということが若干件生じておりまして、学生団体間の抗争がその主たる原因になっておるところでございます。

京都大学につきまして申し上げますと、昭和60年度に入りましても数回、いわゆる封鎖でございますとか、授業放棄といったような非正常な状態が見られておりまして、甚だ遺憾なことであるというふうに考えておる次第でございます。

昭和60年12月11日 衆議院 法務委員会

[217]
日本共産党 林百郎
11月29日、首都並びに関西方面を入れまして通勤者の足、600万が混乱した、交通事情の上からいってかつてない大きな混乱、事件が起きたわけですが、それについて私は質問をしたいと思います。

警察に対しても厳しい批判があるので警察はもっと謙虚にこの問題に対処しなければならないと思いますが、まず最初に、中核派が84年、昨年からことしにかけて起こした事件の表を持っていますので、委員長、これを警察に見せたいと思いますが、いいでしょうか。

[218]
委員長 片岡清一
はい、どうぞ。

[219]
日本共産党 林百郎
これを見ますと、昨年の1月からことしの11月までに約33~34件あるのですが、ここで特徴的なのは毎月、中核派の事件があるということですね。殊に昨年の暮れからことしにかけては、ことしの1月には月に3件、9月にも3件、しかもこれは予告でやられているわけですね。それでほとんど検挙されていない。

この中で検挙3件と言いますが、3件といっても、例えば自民党の本部の放火事件みたいに数人がやっているのに1人しか挙がっていないということで、検挙1件というのは本当に形式だけで実質的な1件にはなりません。

これは予告をされて毎月1件ずつあって、甚だしいのは1カ月に3件もあるのに検挙が少しもできないというのは、警察ではどこに原因があると考えますか。

[220]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 鏡山昭典
お答えいたします。

今、表を見せていただきまして御指摘のとおりでございますけれども、極左暴力集団、確かに今度の11・29につきましても、動労千葉のストライキを支持するために国鉄を全面的に阻止するというようなことは言うわけでございまして、私どももそれに基づきましていろいろ想定をやっておりますが、ゲリラ事件といいますと、予告、例えば今から成田闘争をやる、国鉄闘争を支援するためにゲリラをやる、こういうことはいろいろその都度言うわけでございますけれども、ゲリラがどこをやるか、例えばここにいろいろございますけれども、今回は新東京国際空港公団のビルにやるぞとか幹部の家をやるというようなことはもちろん全く申しません。それから、こういうようなゲリラ情報というのは彼らにとっては一番基本的な根幹をなす情報でございまして、その意味では私ども情報収集に全力を挙げているわけでございますけれども、なかなか核心に迫る情報をとれないというのが実情でございます。

しかも、極左暴力集団が事件を起こします際には、警察の動きを事前に綿密に調査いたしまして、警察の影があるとなるとそこは避けて次の日に回すとか別のところをやるというような、いわゆる現場で逮捕されないような状態のもとでやるというのがゲリラの基本的な形になっております。そのほか、極左事件というものは、非公然軍事組織と言っておりますけれども、例えば中核派の場合は革命軍などと言っておりますが、特別の実行部隊がございまして、こういうものが組織的、機動的に計画して実行している。しかも、実行するに際しては後に証拠が残らないようにやっていくとかいうようなことで、非常に私どもも検挙が難しい状態になっているわけでございます。

しかし、3件じゃないか、そのうちゲリラらしいゲリラは自民党放火事件が去年あったのをことし1人だけだという御指摘で、そのとおりでございますけれども、この事件検挙は、ゲリラの要員を検挙するということは私ども非常に苦労しておりますけれども、かなり時間がかかっております。例えば加藤三郎というのがおりましたけれども、これを逮捕するにも5年6カ月かかっておりますし、あるいは鹿島建設を爆破しました宇賀神という連続企業爆破事件の犯人を逮捕するには7年6カ月、一番長いのは陸上自衛隊朝霞駐屯地で自衛官を殺害いたしました竹本信弘という被疑者がおりましたけれども、これを逮捕するのに10年11カ月という長い期間をかけておるわけでございます。

私ども、確かに今の状況のもとで御指摘のように検挙が進んでおらないことは事実でございますけれども、全面的解決に向けて日夜努力しておるような状況でございまして、今後ともこの解決に向けて全力を挙げて努力いたしたい、こう思っております。

[221]
日本共産党 林百郎
極左、極左と言うけれども、どういう意味で言っているか知りませんが、いかにも左翼と関係のあるようなことを言うけれども、これは暴力集団ですからね、別に左でも何でもないのです。

それで、今あなたの言われた警察の影を避けてやっているというのは、要するに警察の行動が彼らに察知されているのですか。今あなたはそう言っていた、だからこういう事件がこういうように起こるのだと。そうすると、警察の方は彼らに対して察知するルートは持っていないのですか。

[222]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 鏡山昭典
私どもがゲリラを押さえるためには、やはり警察官を配置しなければなりません。その場合1人とか2人でおりますと、例えば今度の11・29に際しましても、パトロールで1人で行ったために相手にはさみで襲われたということで、緊急に救援の連絡をするというようなことで結局逮捕できなかったわけでございますけれども、そういうふうに検挙するためにはかなりの警察官を現場周辺に配置しなければなりません。そういう意味で、それが向こうに知られるという場合が出てくることがございます。もちろん、相手に知られずに私どもとしましても彼らの要員を検挙したりあるいはアジトの摘発も既にやってきております。向こうの情報がとれないのかということでございますけれども、一般的な情報というのはとれますけれども、なかなか核心に迫った情報というのはとりにくいというのが実情でございます。

[223]
日本共産党 林百郎
要するに、中核派と称する暴力集団は既に11月18日に彼らの機関紙の「前進」というので、「電車の運行を実力で阻止する」「国鉄線の、千葉県・首都圏的、全国的なストップ」「天井しらずの、激烈な物情騒然たる情勢をつくりだす」こういうふうに、電車の運行を実力で阻止する、国鉄線の千葉県・首都圏、全国的なストップをやると機関紙に書いてあるのですよ。

それから、彼らの今までやっていた行動を見ますと、ケーブルの切断、通信ケーブルをねらった犯行を重ねているのですね。それで社会の混乱を招いている。

「53年5月の成田空港開港時には埼玉県内で東京航空交通管制部に通じる同軸ケーブルを切断して航空機の発着をできなくさせ、57年3月には千葉や茨城で国鉄の信号ケーブルを切って28万人の足を奪った。今回も同種ゲリラの発生は必至とみられていた。このため、警備当局は都内で厳戒態勢を敷いていたが、裏をかかれた。」これは11時ごろ警備を緩めちゃっているのですから、もうやったときには緩めているんだから、当たり前のことです。これは何も赤旗が書いているんじゃないですよ。マスコミの社説が書いている。念のために言っておきますがね。マスコミの社説すらこう言っているんですよ。もう事前に18日に国鉄は麻痺する、大混乱を起こすと言っている。彼らの国鉄を麻痺させる手段としては、ケーブルを切断するということを過去にもやっている。それなのに、その裏をかかれている。こういうことに対して警察はどう思われるのか。あなた方は何か共産党を意識して、共産党が泳がしているというように思うかもしれませんが、これを警察の反省の資料に……。(資料を示す)

マスコミがみんなそう言っているんですよ。これを見ますと、75年4月3日の毎日には、「相次ぐ内ゲバ事件がいっこうに解決しない現状から警察の”泳がせ論”もある」こういう意見。赤旗で言っているんじゃないですからね、よく聞いてください。それから78年1月28日の読売には「(内ゲバ事件の反復の)もう一つの疑問は、内ゲバ事件の犯人は、なせ捕まらないのか、ということである。一昨年以来、殺人内ゲバ事件はほとんど未解決である。一般に、わが国の殺人事件の検挙率は高く、過去10年間95%を下回ったことがない。「警察は、過激派を泳がせている」という声すら出ている」、こういういわゆる過激派と称する暴力団の殺人の検挙率というのは何%か、参考に聞かしてもらいたいと思う。読売の社説もこう言っている。著しく下回っている。この中から、警察は過激派を泳がせているという声すらも出ている。

それから、これは各新聞はみんな書いていますから、朝日新聞も言わないと公正を欠きますから、朝日新聞の80年の11月1日付には、「凶悪な殺人事件が繰り返され、それぞれの組織が、公然と犯行声明を出したりしている。それなのに、殺人犯人はなかなか検挙されない。一般市民が納得できない感情を抱いていることは否定できない。警察当局は内ゲバ事件の防止、検挙に全力をあげてもらいたい」、こういう記事が出ているわけですね。67年11月の朝日には、「政府、自民党内部には、三派全学連は規制するよりはむしろ適当に泳がせておいた方がよい、との意見もある」、これは朝日が書いている。もう各紙がみんなこう言っているのですよ。だから世間で不思議に思うのは当たり前ですよ。毎月毎月予告つきの事件が起きていて、1月に3回も起きていて、しかも殺人事件があったり放火があったり、勝手なことをやっていてちっとも検挙しないのですから、それは警察が特別な関係を持っていると市民の方が思うのは当たり前の感情ですよ。

それで、個々の事件でなくて組織的に聞きますが。警察の方はいわゆる中核派に対して捜査のルートか何かあるのですか。向こうの方は警察の動きを全部知っている、あなたの方は何も持っていない、それじゃあなたの方は泳がしていると同じじゃないですか。それはどうなんですか。これは私も前にちゃんと警察の答弁も得ていますよ。

[224]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 鏡山昭典
ただいま新聞などで御指摘いただいたわけでございます。確かにマスコミ等でそういうように書いてございますけれども、マスコミも、警察が泳がしているということではなくて、そういう声があるとか意見があるというようなことでございます。

政府関係者からかつてそういう発言があったということでございますけれども、警察といたしましては治安の維持という立場から、泳がしておるというようなことは決してございません。これは私どももいつも申し上げているわけでございますけれども、一線の警察官はもう命を張って極左対策をやっておるわけでございまして、昭和42年から現在まで11人の殉職者も出しておりますし、2万人近い負傷者も出しておりまして、こういう一線の苦労を考える場合に、泳がしておるということは決してないというふうに私どもは言えると思います。

ただ、問題はやはり捕まえていないじゃないか、こう言われますと、確かに今のところ発生件数に比べまして逮捕というのが非常に少のうございます。その意味では、先ほど先生がお読み上げになりました朝日新聞の中で「一般市民が納得できない感情を抱いていることは否定できない。」というような主張につきましては、私ども謙虚にこれを受けとめまして、今後とも最大の努力で進んでいきたいと思います。

しかし、同時に、11月1日付の朝日新聞の最後の部分に、「内ゲバ事件の根を切るためには、社会が暴力に対する怒りを結集する必要がある。過激派は大学や労組などの内に、活動の根拠地を求めている。そうした場にかかわる人々が暴力集団の凶行を許さないという決意を明確に示すべきだろう。これは社会と反社会集団の戦いである。」というふうにこの社説でも書いてございますけれども、私どもはもちろん最大の努力をいたしますと同時に、国民の皆様方の御支援と御理解を得まして、今後とも極左対策に全力を挙げていきたい、こういうふうに考えております。



[227]
日本共産党 林百郎
だから私先ほど言ったでしょう。11月18日の中核派の機関紙の「前進」で「電車の運行を実力で阻止する」「国鉄線の、千葉県・首都圏的、全国的なストップ」「天井しらずの、激烈な物情騒然たる情勢をつくりだす」、こう新聞に書いてあるのですよ。それじゃ、これは予告でわかるじゃないですか。これに対してどうでも捜査の方法、本部だってあるし何だってあるんだから、中核派には。警察の力をもってすれば幾らでも捜査できるのじゃないですか。

しかもなお問題になるのは、さらに今後もやるとまで言っているのですよ。これは中核派の「軍報」という名前の機関紙ですが、「軍報」の中で中核派は、「今回のゲリラは国の民営、分割化に対する制裁で、今後、国鉄のあらゆる機能を戦場化する」こういう新聞も出ているのですよ。あなた方は警察でこういう情報をとってないのですか。これはあなた、マスコミでちゃんととっている。マスコミがちゃんと載せていますよ、毎日新聞。これをとっていますか。とっているとするならあなたは今後どうするつもりですか、こういう情報が出ているなら。



[233]
日本共産党 林百郎
それでは、これは大臣にもお見せしておりますけれども、歴代の自民党がこう言っているのです。

例えば1967年の10月8日の羽田事件の直後に、当時の官房長官の木村俊夫君が、「羽田事件の対策には強硬な処置をとらないことにした。日共対策上そうした方がいいからだ」

それから1967年11月12日、保利茂君が、「三派全学連は泳がせておいた方がよい。そうしないと全学連は日共系一本にまとまる。その方が危険だ」

それから1969年の5月3日、これは朝日新聞に出ているのですが、中曽根君が、「佐藤内閣をささえているのは反日共系学生だという見方もある。彼らの暴走が、反射的に市民層を反対にまわし、自民党の支持につながる作用を果たしている」

それから昨年の9月19日、自民党本部の放火事件があったときに、浜田幸一君が、「この責任はだれにあるかというと、泳がしていたわれわれにあると思いますよ。「中核派」を泳がしていた。やっぱり法律違反で破壊するものを泳がせた。そういうひとつの政策の誤りがあるんじゃないですか」

歴代の自民党の政党幹部あるいは行政の幹部が背こう言っているのですが、あなたこういうことを知りませんか。

[234]
法務大臣 嶋崎均
今のお話のようなことは全く存じておりません。しかし、いずれにしましても、こういう問題につきましては、この民主主義の社会というものをきちっと維持するというような意味でも断固たる処置をとらなければいけないと私は思っております。

昭和60年12月06日 衆議院 運輸委員会

[092]
日本共産党 梅田勝
11月29日に発生いたしました、にせ左翼暴力集団中核派による鉄道妨害事件は、国民と国鉄に大きな迷惑と損害を与えました。かつ、国鉄の信用を傷つけた反社会的蛮行として絶対に許されるものではございません。私どもも早速浅草橋駅、錦糸町駅も現地調査をいたしまして、つぶさに実態を把握してきたところであります。

そこで、国鉄総裁にお伺いいたしますが、このようなにせ左翼の妨害行為をあらかじめどのように予測されていたのか。特に、中核派の機関紙「前進」に大変なことを書いていたのでありますが、御存じでございましたですか。

[093]
説明員(日本国有鉄道総裁) 杉浦喬也
今回の千葉勤労のストライキと関連いたしまして、中核派がこれを支援し、過激行動によって鉄道妨害を企てているという警察からの事前の情報は、具体的ではございませんが、全般論としてあったわけでございます。こうした情報を受けまして、国鉄側としましても、公安職員を動員しまして、その他の職員を合わせて約3000名程度の要員で、千葉局だけでなしに東京都地区全域におきまして、駅とか線路とか、そうした施設の警備等の警戒態勢を早めに行ってきたところでございます。

スト期間中も警察側と緊密な情報連絡をしたわけでございますが、遺憾ながら、中核派の今回のような活動は非公然組織が行っているところでございまして、事前にどこでいつどのようにするかというような具体的な内容を予知することはとてもできない状態でございました。したがいまして、それに対する的確な予防ということができず、今回のような結果になったわけでございます。

今後とも、警察側の中核派の動向の把握ということについての一層の情報把握をお願いを申し上げたいと思いますが、警察と十分連絡をとりまして、万全の措置を講じていきたいというふうに思っておるところでございます。

[094]
日本共産党 梅田勝
きょうは与えられた質問時間が14分しかございませんので、駅へ行きましていろいろ詳細に聞いておりますので、疑問に感ずる点はたくさんありまして、お尋ねしたいこともございますが、先ほど私聞きましたように、私も新聞報道で知ったわけでありますが、11月18日付の中核派の機関紙「前進」で、「「首都圏・全国を革命的な一大騒乱の渦にたたき込め」「勤労千葉ストは、とうてい収拾できないような、天井しらずの、激烈な物情騒然たる情勢をつくりだすだろう」と”11・28~29闘争”を予告していました。」こういう報道もあるわけなんですね。

ところが、ストライキが29日の正午まで続けられるのに、終電が終わったら警備体制はほとんどないに等しい状態になる。そして朝方やられているわけですね。どう考えても、これだけのことを言っているわけですから、厳重な警戒というものが必要ではないか。昨日も参議院の地行で同僚議員がただしておりますが、国鉄の職員が、この辺は危険だということで巡回したところで遭遇して、未然に防止をしているということもございまして、あらかじめわかったわけですから、総裁は、先ほど私、この「前進」の予告記事を読んでおられましたかということを聞いたんですが、これは読んでおられましたですか。

[095]
説明員(日本国有鉄道総裁) 杉浦喬也
後からそれを入手いたしまして読んでおります。

昭和60年12月05日 参議院 地方行政委員会

[133]
日本共産党 神谷信之助
先般の、11月29日の国鉄襲撃事件についてお伺いしたいと思います。

時間がありませんからできるだけ簡潔にお願いしたいんですが、あの中核派の蛮行を我々断じて許すわけにはいかぬし、この問題は一貫して我が党が警察当局にも率直に批判してきたところであります。

彼らはことしになってからでももう既に報道されただけでも30件近くこのような暴行、暴挙を繰り返してきています。

昭和59年10月23日 参議院 地方行政委員会

[152]
日本共産党 神谷信之助
右翼団体であろうと、にせ左翼暴力集団であろうと、我々は断じて暴力行為を容認することができない。それは当然であります。

今回の自民党本部に対する放火事件、これはまさに民主主義に対する重大な挑戦であり、攻撃であり、認めるわけにいかないことは明らかだと思いますし、指摘をしていましたように、いわゆる中核派とか革マル派などのにせ左翼暴力集団というのが非人道的な殺人者集団だということを今回の事件は実証していると思うのです。

昭和59年10月05日 衆議院 地方行政委員会

[212]
日本共産党 三浦久
今回のにせ左翼暴力集団、中核派による自民党本部襲撃事件は、共産党が一貫して指摘をいたしておりましたように、彼らが非常に反社会的な犯罪者集団である、そういう本質を私はまざまざと見せつけたものだというふうに考えております。

午前中の質問を聞いてみますと、何か共産党と関係があるみたいなことを言っておりますけれども、この中核派とか革マル派というのは左翼を装った反共暴力集団であります。共産党とも、また科学的な社会主義とも縁もゆかりもない集団であります。彼らは、もう公安警察自身がよく知っておりますように、日共打倒とか、または日共の永続的解体というようなことを言って、そして日本共産党の打倒ということを主な政治的な目的としている、そういう集団であります。ですから我々は、こういう暴力集団と最も厳しく対決をし、その本質を国民の前に明らかにしながら闘ってきております。



[214]
日本共産党 三浦久
にせ左翼暴力集団の犯罪行為というのはたくさんあるのですね。ですから、どのくらいの検挙率がというようなことを一つ一つお尋ねするのも大変だと思いまして、特に殺人事件は内ゲバで起きておりますので、私の方で内ゲバ殺人事件についての検挙率の資料をいただきました。これは45年から59年まで出ておりますが、内ゲバ殺人事件は64件あるそうですね。そしてトータルですが、死者数が81人、検挙件数20件、そういうふうに資料をいただいておりますが、これは間違いありませんか。

[215]
説明員(警察庁警備局長) 柴田善憲
45年以降64件発生いたし、81人が亡くなっております。検挙いたしましたものはそのうち20件でございまして、検挙率といたしましては3割強ということになっております。

[216]
日本共産党 三浦久
ところが、これは実際の検挙率をあらわしていないのですね。例えばこれは件数でしょう。検挙率というのは犯人が何人おって何人逮捕されたかということが検挙率であって、1件で10人の犯人がいた、それに対して1人つかまえたという場合には、1件発生して検挙件数1件と出てくるわけでありますから、こういういわゆる件数で出してくるというやり方は、わずか1割のものが10割の検挙率だというふうになっているわけですね。ですから私の方は、これじゃ正確な資料じゃないから、ちゃんと犯人が何ぼおって、そして何人検挙されたのかという資料をください。それはだめだというのですね。警察の方はお出しにならない。どうしてこれは出せないのですか。ちょっとお尋ねいたします。

[217]
説明員(警察庁警備局長) 柴田善憲
内ゲバは必ずしも1人の人間が1件の事件を起こすということではない、複数の人間が1件の事件を起こすということは御指摘のとおりでございます。したがいまして、1件の事件について何人も逮捕を出しているというケースもあるわけでございます。ただ、何件のものについて1人以上を逮捕しているかということになりますと、今のような統計になってくるわけでございます。

それから、資料の提出の関係でございますけれども、現在未検挙のものにつきましても、いずれも捜査継続中でございまして、その捜査の中身を申し上げることはできるだけ控えさせていただきたいと思ってあれしたわけでございます。

[218]
日本共産党 三浦久
捜査の中身を聞いているのじゃなくて、何人犯人がおって何人検挙されたのですかということを聞いているのです。そんなことが捜査の秘密ですか。そんなことはありませんね。

私も、余りにも資料を出さないのでちょっと調べてみたのです。おたくの、いただいた資料を見てください。48年は殺人件数1件になっていますね。死者が2名、検挙件数1となっています。これはわかりやすいから、この例を見てみましょう。

48年の事件というのはもう御承知ですね。これは48年9月15日の神奈川大学構内内ゲバ殺人事件です。これで49年、翌年の警察白書を見ますと「被疑者26人の割り出しに成功した。」とちゃんと書いてあるのです。警察白書ですよ。これは57年に逮捕されているのですね。だから58年の警察白書によりますと、「指名手配中の革労協最高幹部を含む7人を検挙した。」とちゃんと書いてあるじゃないですか。何で秘密ですか。

そうすると、26人の割り出しに成功し、7人の被疑者を検挙した、あとの残っている人間について捜査継続でしょうけれども、ちゃんと発表しているじゃないですか。だから、何人犯人がおって何人検挙したというようなことは秘密でも何でもないのです。検挙されていない人間についてどういう捜査をやっているのかなんて聞いているわけじゃないのですからね。そんなことは、起訴されるわけですから当然はっきりわかっていることなのです。それを全然資料を出さない。どういうわけなのでしょうかね。

ですから、実際にこの分でも、例えば48年の場合には発生件数1、検挙件数1だから100%の検挙率になっているわけでしょう。実際には26%の検挙率なのですよ。だから、こういうように30%強の検挙率だなんてあなたが今胸を張っていますけれども、実際は10%にも満たないだろうと私は思うのです。犯人の数が何ぼか、検挙した人数が何ぼかということになればこれは数%にしかならないだろうと私は思うのです。そういう検挙率が低いものだからこういう資料の出し方をしてくるのですね。こんなことを言っていると時間がなくなってしまうので次に移れませんけれども、本当に国民の協力を得て検挙件数を上げたい、根絶したいというのであれば、国民に本当のことを知らせなければだめじゃないですか。

そういう意味で私は委員長に申し入れをしたいのですけれども、何人犯人がおって何人検挙したという資料を警察に提出していただくように委員長からもお申し出いただきたいと思います。

[219]
説明員(警察庁警備局長) 柴田善憲
ただいまの神大内ゲバ事件につきましては、革労協が攻めてまいりました革マルに反撃をしたという事件でございまして、被疑者の数は捜査が最後までいってみないと幾らになるかということはわからないわけでございますが、発生の直後から捜査に入りまして、何人かの人間を割り出して、それまでにも検挙をいたしておるものでございます。

犯人の数が何人かというのは秘密でも何でもないだろうというお話でございますが、実は犯人の数が何人いるかということは重大な捜査上の秘密事項になると思うわけでございます。と申しますのは、我々は、5人でやったのにまだ3人しか捕まっていない、5人と言っておる、そうすると、あと2人は捕まるなということになるわけでございます。そこで、彼らといたしましては急遽対策を講ずるということがあるわけでございまして、また、犯人の数につきましても、捜査を遂げてみませんと本当は何人でやったのかということがわからない場合が多いわけでございます。そこで、犯人の数を分母としまして、何人挙げたから何%という統計はなかなか出しにくいし、必ずしも実態に迫ったものではないだろう、このように思う次第でございます。

[220]
日本共産党 三浦久
それはあなたたちのへ理屈であって、では、何でここにそういうことを出しているのですか。26人の割り出しに成功した、そのうち7名逮捕した、そういうことをちゃんと堂々と発表しているから私言っているわけであって、秘密なら発表しなければいいでしょう。発表されているじゃありませんか。国民の前に真実を知らせるということをしなければ国民の協力は得られないということだけは指摘しておきたいと思います。

昭和50年12月11日 衆議院 決算委員会

[096]
日本共産党 諫山博
そこで、今度は少し観点を変えまして、殺人ではない傷害事件、凶器準備集合罪、こういう問題について幾つかの点を質問します。

殺人以外はほとんど一般のマスコミでも報道されていませんから、特殊な人にしか知られていないわけです。それでも「前進」だとか「解放」というような彼らの機関紙を読みますと、何名やっつけた、どういう重傷を負わせたというようなことがしばしば載っております。

そこで、その一つのタイプとして、やはりある組織の者が他の組織の者を襲撃する。そうすると、襲撃された側が今度は加害者に復讐する。今度は逆の復讐をするというようなことが繰り返されているわけですが、その一つのかなめになるのに、昨年9月10日に起こった高橋範行殺害事件というのがあります。高橋範行は東京中央郵便局に勤めていて、東京中央郵便局の中核派の活動家であります。そして、去年の9月10日未明に襲われて、その月の16日に死亡しています。襲撃の状況を襲撃側の49年9月30日付「解放」という機関紙で、次のように報道しています。

「わが戦士たちは難なくアジトに突入、高橋の身体に階級的怒りに燃えた鉄槌をたたきこんだ。恐怖に震えて声も出せないこの突撃隊員は右肩、右手首、右足にしたたかな鉄槌をくらって「撃沈」されたのである。」「この高橋なる男は、」「東大生四宮・富山両君を虐殺した下手人であり、7月25日の戦闘的自治体労働者への襲撃をはじめとして、たたかう労働者学生への反階級的な武装襲撃の数々を直接担ってきた男であり、その罪業は許すべからざるものである。」こういう記事が出ていますが、この高橋範行殺しでは被疑者が何名いるのか、逮捕者が何名いるのか、そして何名が起訴されたのか、警察の方から説明してください。

[097]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
昨年の9月10日に警視庁の尾久署の管内で起こりました事件でございますが、御説明いたします。

[098]
日本共産党 諫山博
ちょっと待ってください。委員長、私、限られた時間でたくさんのことを聞きますから、事件の内容は説明要りませんから、被疑者が何名か、逮捕者が何名か、起訴者が何名か、これに限って説明させてください。

[099]
委員長代理 森下元晴
簡明にお答え願います。

[100]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
被疑者は数人ということでございます。地取り捜査、現場鑑識活動等を通じまして、鋭意捜査を進めておりますが、現在のところ検挙者を出すに至っておりません。

[101]
日本共産党 諫山博
被疑者数名の氏名、所属は判明していますか。

[102]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
実は、先生御案内のように、革マルの場合は、43年の同派の黒田議長が出した「日本の反スターリン主義運動」の中でも、当面マル生労働は組織化しないという方針を決定したと言っています。したがいまして、労働者部分の、ことに全逓と限った形で見てまいりますと、大変把握しがたい実態でございまして、本件につきましても、被疑者の氏名等は残念ながらわかっておりません。

[103]
日本共産党 諫山博
この事件で、中核派の上部団体である革共同政治局員の北小路敏が東京で記者会見をしております。そして、高橋範行殺害について報復の宣言をしているはずです。新聞の報道では「10日未明、中核派の労働者が革マル派に襲われ重傷を負う事件があった。これまでの暗黙の境界線を向こうが先に破った以上、彼らの血であがなってもらう」こう言って「“全面戦争突入”を予告した。」新聞の報道によれば「両派の抗争が今後一層深刻化しそうだ。」こうなっております。

北小路敏が記者会見をして報復宣言をしたことがあるのかどうか、警察、どうですか。

[104]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
当時、そのような記事が報道されたことについては承知しておりますが、実際に彼らがやった場面を、こちらが入っていって直接に現認するわけにはまいりませんので、あくまでも報道等により間接的に把握している、かような状況でございます。

[105]
日本共産党 諫山博
北小路敏が報復宣言をする、しかも記者会見まで行って報復宣言をする、これはその後の一連の事件にとってきわめて重大な出来事のはずですが、そういう記者会見があったのかなかったのか。あったとすれば、どのような報復宣言が行われたのか。警察は調べましたか、調べていませんか。

[106]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
記者会見の場には、警察官が直接入ってまいることは残念ながらできない状況でございます。したがいまして、記者会見の場に臨んだ方から協力を得て内容を把握するわけでございますが、これもニュースソースの秘匿ということがございまして、ことに報道関係者の場合、いわゆるニュースソースを明らかにする形での御協力は得られないという限界があるわけでございますので、私たちの承知しておるのは、そういう範囲での御協力を得て把握しておる内容である、こういうことでございます。

[107]
日本共産党 諫山博
法務大臣、北小路が報復宣言をした、この報復宣言に基づいて次々に犯罪が行われているわけです。いまの話では、まともな捜査をしていないでしょう。

もう一つ聞きます。

9月24日に日比谷公園で、解同朝田派と中核派を中心としたトロツキストが、狭山裁判を理由として集会を開いております。ここで、中核派全学連委員長と名乗る松尾真という男が同じような発言をしております。「私たちは昨日、反革命集団の頭領、前川を撃沈した。」これは全逓中郵の戦闘的労働者、同志高橋範行の虐殺に対する報復である、こういうあいさつを公然と集会の中でしていることが報道されていますが、警察は調査しましたか。

[108]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
さような彼らの自認声明があったということを報道された内容は承知しておりますが、ただ残念なことには、いわゆる中核派がやったということを言っておるわけでございまして、何のたれべえがやったということは、言っておらないわけでございます。

従来もかような自認声明を捜査の材料にしまして、たとえば3月14日の本多前進派書記長の殺害事件に関しましては、当日革マルの方で自認声明をいたしましたので、これらを材料にいたしまして、革マルの拠点であります解放社の捜索をしております。

また6月24日の静岡県の宇佐美「緑の村」で起こりました、革マルが反帝学評を襲ったと思われる事件につきましても、7月7日に「解放」紙上で革マルが自認声明をいたしましたので、これらを材料にいたしまして、7月14日に解放社、創造社の捜索をしておりますが、残念ながら、この自認声明はあくまでもセクトとしてやったということでございますので、鋭意捜査に努めておりますが、それだけで、いきなり犯人検挙といった形での捜査活動は、残念ながらとられないという実態でございます。

[109]
日本共産党 諫山博
これだけの犯罪宣言が行われているのに、実態をつかめませんというのは、私は納得できません。

そこで、高橋範行が殺された、それに対して北小路たちが報復宣言をした、この報復宣言に基づいて起こったのが10月3日の山崎洋一殺害事件です。

朝日新聞の報道によれば、4人組が襲撃した。ヘルメットが2個犯罪の現場に落ちていた。そして、このときも北小路が記者会見をして、高橋報復のためにやったのだということを公言した。この事件で、1人は起訴されていると聞いていますが、捜査状況はどうなっていましょうか。法務省、どうですか。

[110]
政府委員(法務省刑事局長) 安原美穂
御指摘の事件につきましては、1人の犯人の検挙、送致を受けまして、殺人、兇器準備集合で起訴、公判請求済みでございます。

[111]
日本共産党 諫山博
この事件について、襲撃側の「革共同通信」という機関紙には、次のようなことが書かれております。

「虐殺主謀者・全逓カクマル幹部山崎洋一を完全せん滅」説明として「高橋同志虐殺への激しい怒りをこめて鉄パイプを炸裂させた。たちまち血まみれとなり卑劣にも助けてくれ! と懇願するこの反革命分子に渾身の力をふりしぼって一撃また一撃、憎しみの鉄槌を肉体奥深く叩きこみ反革命のドス黒い血の海に沈めたのである。」中略「目には目、歯には歯を! の復讐の原則は厳粛に貫徹されるのだ。」これだけのことが書かれ、朝日新聞などでも、4人組が襲撃した、ヘルメットが2個現場に落ちていた、こういうことが書かれているのですが、検挙は何名でしょう。

[112]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
お答えいたします。

本件につきましては、1月の13日に1名と、それから5月の15日に1名の、2名検挙いたしております。

[113]
日本共産党 諫山博
法務省では、送検を受けたのは1人で、起訴したのは1人という説明をしていますが、もう1人はどうなったのですか。

[114]
政府委員(法務省刑事局長) 安原美穂
私の手元の資料では1名の受理というようになっておりますが、警察の御説明を受けますと、たしか送致を2名受けているということになっておりますので、恐らくそれが正しいと思います。と同時に、警察当局からいま内々聞きますと、処分保留で釈放だということでございいますので、それも恐らく私は正しいことだと思います。

[115]
日本共産党 諫山博
私は事前にこの事件の処理がどうなっているかを調査していただくようにお願いしていたのですが、事件は殺人ですから、起訴猶予ということはなかろうと思います。そうすると、人違いの送検ということだったのかどうか。この点は、私が質問している間でいいからちょっと調べてください。――わからなければ、私の質問が終わるまででいいですから調べてください。

[116]
政府委員(法務省刑事局長) 安原美穂
担当の者の説明によりますと、起訴猶予ではもちろんなくて、むしろ殺人、凶器準備集合として起訴するに足る嫌疑がまだ十分でないというので、拘束期間満了のために釈放して処分が保留であり、現に捜査中であるという段階であります。

[117]
日本共産党 諫山博
これもようやく1人処理されたというだけのようですが、ところで、この事件で北小路敏についてはどのような捜査をし、どのような結論になったのか、警察が説明してください。

[118]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
委員御案内のように、機関紙で声明をしておるということになりますと、われわれのセクトがやったということで犯人が特定してないことに加えまして、もう一つ、その内容をだれかが機関紙に執筆したということで、証拠的には間接的になるわけでございます。したがいまして、そういうものを材料にしまして鋭意追及はしてまいっておりますが、残念ながら、そのことを材料にして検挙する、そういうことはできておらない、こういう段階でございます。

[119]
日本共産党 諫山博
私は法務委員会でも、たくさんの機関紙の記事を挙げて、これだけの犯罪予告が行われ、これだけ犯罪を誇示しているのに、どうしてこれが検挙できないかということを質問したわけですが、だれが執筆したのか、だれが印刷したのか、だれが取材したのか、こういうことは警察は調べていますか。調べていないのですか。それとも、調べてもわからないのですか。

[120]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
もちろん捜査の一つの材料でございますから、それをもとにしまして、そういう点についても捜査をいたしております。さっき申し上げましたように、そういうものを材料にして幾つかの件について捜索等を行っているわけでございますが、それをもとに、いきなりある人物を検挙、そういう形で捜査結果が結びつくようなことには残念ながら至っておらない、かようでございます。

[121]
日本共産党 諫山博
私は納得できませんが、山崎洋一が殺された、それに対して今度は革マル側から再び報復宣言が行われて、次々に中核派が襲撃されるということが繰り返されるわけですが、私たちの機関紙による調査によると、10月27日、渡辺正隆というのが襲撃されています。そういう事件があったのかなかったのか。あったとすれば、犯人は検挙されたかどうか、それだけを説明してください。

[122]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
これは昨年の10月27日に発生した事件でございますが、都内の杉並区のアパートに就寝中に襲撃をされて、被害者がそれを察知して窓の外に逃げ出したために被害を免れた、かような事案でございます。

[123]
日本共産党 諫山博
これは犯罪になりますか、なりませんか。

[124]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
もちろん犯罪になるわけでございまして、現場に遺留されておりました鉄パイプ等をたどりながら、現在捜査をしておる段階でございます。

[125]
日本共産党 諫山博
捜査をしている段階というのは、いまなお検挙いたしておりませんということのようですが、その次に、11月16日、大沢猛というのが襲われております。こういう事件があったかどうか、そして犯人の検挙はどうなっているか、説明してください。

[126]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
これは警視庁の蒲田署の管内で起こった事件でございますが、被害者が全逓空港支部臨時大会に参加しようとして犯行地付近を通りかかった際に不審者を認めて、その不審者を呼びとめようとした際に、逆に手拳で殴打されたという事案でございます。

これにつきましては被害者側は、事情聴取はもちろん、被害届の提出等一切の警察に対する協力を拒んでおりますけれども、警察としては捜査をしておる段階でございます。

[127]
日本共産党 諫山博
彼らの機関紙によれば、事件が起こったのは午後1時ごろです。そして被害者には2人の人が同行していたとなっております。犯罪の模様を彼らの機関紙「解放」は次のように書いています。

「この一瞬をとらえ、待機していたわが戦士たちは一挙に大沢目がけて突進した。泡をくった大沢は、うろたえながら助けを求める。だが十全の体制をとって待ち構えていたわが部隊の存在にすら気づかない防衛隊に何ができよう。大沢がタックルされ、叩き伏せられるのを眼のあたりにして「カクマルだあー、110番だ、110番だ、すぐ電話しろ!」と叫び、悲鳴をあげながらつんのめりうろたえる防衛隊を、わが戦士たちは大沢もろとも粉砕しさったのである。」公然と道路上でこれだけのことが行われ、しかも事件後犯罪を誇示しているのに、犯人のめどさえつかないのですか。どうですか。

[128]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
被害者はもちろんでございますが、関係者も、これは労働者同士の口論であるということで、警察に対する事情聴取を一切拒否している段階でございます。したがいまして認知も、たまたま通りかかった人の通報によって警察が知ったわけでございます。

そういうことで被害者側の協力が全く得られないということで捜査には苦慮しておりますが、悪条件の中で鋭意捜査しておる、かような段階でございます。

[129]
日本共産党 諫山博
通行人が見ているのですよ。午後1時ごろ人通りの多い道路上で行われた犯行で、鋭意捜査中ということでは、私は了解いたしません。

その次の日、11月17日、唐沢伸一という人が襲撃されているはずです。そういう事件があったのかどうか。そして、この処理はどうなっているか説明してください。

[130]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
これは11月17日に警視庁の亀有署の管内で起こった事件でございますが、被害者本人は、この事件につきましても、現在に至るも事情聴取は頑強に拒んでおります。もちろん被害申告も拒否しております。

それと、これも被害者なり被害者の関係者からの通報はございませんで、アパート居住者からの110番通報だったわけでございます。そういうことで事件発生から約30分後に警察が認知をしたという、いろいろな悪条件が重なっておりますけれども、これも現場に遺留されておりました鉄パイプ、懐中電灯等をたどりながら現在捜査を進めておる、かような段階でございます。

[131]
日本共産党 諫山博
通行人が110番する、現場には懐中電灯などが遺留されている、これで犯人がわかりませんというような捜査がありますか。

以上が、山崎洋一が殺されて、その報復という、革マルが全逓関係の中核を襲ったという事件です。

次に12月20日、今度は逆の復讐が行われるわけです。中核派が全逓の革マルを襲撃する。その襲撃を受けたのが金綱新二郎。彼らの機関紙「前進」によれば、「全逓高輪金綱に鉄槌」こういう見出しのもとに「わが革命派は捕捉した獲物をむざむざ逃がすほど甘くはない。よたつきながら逃げようとする金綱のえり首をつかみ、骨も砕けよとばかり鉄槌をふりおろしたのである。」「この憎むべき反革命分子の両手、両足、そして全身に、怒りをこめた鉄パイプの乱打をあびせかけ、血の海に沈めたのである。」こういうふうに犯罪の誇示がされていますが、これは犯人を検挙しましたか。

[132]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
本件は、昨年の12月20日に警視庁の三田署の管内で発生した事件でございますが、本件を目撃した通行人からの通報で認知したわけでございますけれども、通報が発生後約4分ということで比較的早かった。それから本件については、被害者も一応調書作成に応じております。目撃者と参考人調書を約20人分作成しておりますが、そういうことで鋭意犯人をしぼり込むと申しますか捜査を進めておる、かような段階でございます。

[133]
日本共産党 諫山博
これは警察にしてみれば、わりあい捜査のしやすい事件でございますということのようですが、それでも結果的には鋭意捜査中ということになっている。

この事件でもう一つ別なことを質問します。

昭和49年12月2日付の「前進」の中にマルクス主義青年労働者同盟・全逓委員会の声明らしい文書が載っております。この中で「カクマル産別組織にたいして情容赦のない鉄槌の雨をふらせるであろう。」「反革命白色テロにたいして正義の報復を完遂することを宣言する。」「荏原カクマルに一人同調して発言した高輪局の兼綱の如きは戦々恐々として逃げまわり、職場、組合運動も放棄し、底なしの腐敗を深めているのだ。」ここで高輪局の金綱という男を名指しで襲撃するぞと予告をしているわけです。それから10数日の間に実際に金綱が襲撃されたという経過があったはずですが、警察は承知していますか。

[134]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
いわゆる彼らが名指しで予告をすると申しますか、かような事案があるわけでございますが、このようなものにつきましては、もちろん内容によっては脅迫罪等が成立するものが当然考えられるわけでございますけれども、残念ながら、この予告を受けた相手が協力をしない。そういうことで、なかなか捜査が実らないわけでございます。

[135]
日本共産党 諫山博
法務大臣に質問します。

いま私が指摘した事件というのは新聞にも書かれないし、テレビにも乗らないし、ほとんどの人が知らない事件です。彼らの機関紙では、堂々と犯罪を予告し、戦果を誇示している。特に金綱の場合は金綱をやるぞということを機関紙に書いて、それから10数日のうちに本当に金綱がやられたのです。そして聞いてみると全く検挙はされていない。日本の治安に責任を負う法務大臣として、どう思いますか。

[136]
法務大臣 稻葉修
切歯扼腕にたえません。しかも私は、あなたの挙げられた事例の中で某々を襲撃するぞという宣言は、現行刑法でも脅迫罪にならないのかなというふうに思いますし、相手の名前を挙げないで報復宣言を堂々と機関紙などに載せていることについて、現行刑法の罪名にはないけれども、いずれにいたしましても、将来の立法上、治安維持上、犯罪の中に入れる、そういう新しい立法なども必要ではないかなというような感じを抱きます。現在そういうような暴力事件が頻繁に行われて、被害者の協力を得られないとはいいながら、なかなか検挙されていないこの現状に対しては、非常に責任を感じます。

[137]
日本共産党 諫山博
いまの法務大臣の発言はきわめて重大です。いま私が挙げたような事件は、いまの法律を改正しなければ検挙できないものではありません。警察がまじめにやろうとすれば、私がこの前指摘したような泳がせ政策をやらなければ、当然検挙できるはずの問題であります。何かもっと治安立法をしなければ取り締まりができないかのような考えを法務大臣が持っているとすれば、問題の本質をつかんでいない、こう言わざるを得ません。

刑事局長、いま私が指摘したような事件は、現行法で逮捕できないのですか。現行法で起訴できないのですか。

[138]
政府委員(法務省刑事局長) 安原美穂
次の機会には報復するぞというような宣言をしている者、その者が特定できますならば、当該報復事件が殺人等でございましたら、殺人の共犯ないしは教唆の疑いが出るという意味において、そういう犯人が特定できます限りにおいては、それは殺人の教唆、共謀の疑いのある事件であるということにはなろうと思いますので、現行法でできないことはございません。

しかし、いま大臣の申されましたのは、そういう教唆、共謀に至らない報復行為、リンチ行為を称揚する、ほめそやすというような行為自体が共犯、教唆にならなくとも処罰をするという立法も考えられないではないのではないかということを申されたのでございまして、現在の検挙が共犯、教唆として非常に検挙しにくい状況にかんがみて、取り締まりの徹底を期するためには、それも一つの方策であるということを申されたものと理解しております。

[139]
日本共産党 諫山博
もし法務大臣が、こうして大半の内ゲバ事件が処理されていないということを口実にして治安立法というようなことを考えておるとすれば、これはとんでもない考え違いですから、よく検討していただきたいと思います。

[140]
法務大臣 稻葉修
そんなことを申したのではありません。私の言うことを勝手に解釈して、法務大臣は治安立法を考えておるような発言をされることは迷惑至極であります。

[141]
日本共産党 諫山博
私は最後の言葉を信用したいと思います。そうでなくて、いまの法律でこれは処理しようとすればできるのだという観点を貫かなければ、いつまでたっても、こういう事件の検挙はできません。

彼らのやり口がいかに卑劣であるか、もう一つだけ私は事例を紹介しますが、ことしの6月19日に藤盛広之というのが殺されております。ところが、6月16日付の襲撃者側の機関紙「前進」には「白色襲撃の手引き者、高輪の金綱と残り少ないとりまき山本、藤盛は覚悟しておくがいい。」こう書いておるのですよ。6月16日付の新聞に「藤盛は覚悟しておくがいい。」ということが書かれ、19日には藤盛が実際に殺された。こういうことがこの日本で行われておるのだということを法務大臣ぜひ頭に入れておいてください。

そこで公安調査庁に質問します。

私がいま挙げた事件は、すべて革マルあるいは中核の全逓委員会の内ゲバ事件なんです。



[147]
日本共産党 諫山博
中核派の全逓委員会、革マル派の全逓委員会、それぞれこれから報復をするぞということを宣言するし、事件が起これば、これだけの戦果が上がったということを誇示する。お互いに文書合戦も続けているわけですが、どういう組織に属している連中が事件を起こしているのかということさえ、いまなお警察は正確につかまえていないという状況ですか。

[148]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
ただいま申し上げましたように、中核派の場合はマル青労働という同派の青年組織的なものがあるわけでございますが、恐らくこれに相当する部分は革マルの場合は政治団体の構成員とシンパ層に分かれると思いますので、その実態はつかみがたい、これが現状でございます。

[149]
日本共産党 諫山博
法務大臣に質問します。

以上、私が挙げた事件は現行法で十分処理できる。問題は、その熱意と意思がないというふうに私は見ております。法務大臣としては、これだけの事件が起こっているのに、上の方からせん滅するというようなことは考えられないのか。

たとえば暴力団がいろいろ抗争事件を起こすわけですが、こういうときには頂上作戦というような言葉で、暴力団そのものを壊滅するというような方針を警察も法務省もとっていると思います。



[153]
日本共産党 諫山博
刑事局長に質問します。

私たちは、こういう暴力集団は、やはり首脳部を問題にする必要があると思うのです。たとえば北小路という名前がしばしば新聞に出るのですが、われわれは復讐するぞということを宣言する、そして事件が起これば、われわれがやったんだということを誇示する。そのほか新聞にもいろいろ彼らの戦果誇示が出てくるわけですが、革マルとか中核とかこういう幹部、組織をどうするのかというような問題については、刑事法的にどのような検討をしているのですか。

[154]
政府委員(法務省刑事局長) 安原美穂
一番簡単な方法は、ある団体がその団体内において犯罪行為をやった場合においては、その長たる者を処罰するというような立法があれば一番簡単でございますが、そういう立法はないわけでございますので、またそういう立法が必ずしも妥当だとは思いませんから、結局ある刑法に当たる犯罪行為がありました場合には、そういう直接の下手人でない者を処罰する方法は、それが共同正犯であるか教唆犯であるか幇助犯であるかということでございます。

したがいまして、いま御指摘のような問題につきましては、検察当局は常にそういうリーダー格の者に共犯の疑いがあるかどうかということは検討しておるわけでございますが、遺憾ながら共犯、教唆犯という場合には直接の下手人ではないわけでありますから、直接の下手人を検挙するということを前提にして、その下手人とリーダーとの間がどういう関係であったかということを捜査していくというのが捜査の常道でありますので、そういう方法で、まず何よりも下手人を挙げるということに全力を挙げ、そしてでき得べくんばリーダーが共犯者であれば、それについて捜査の手を進めるというのが検察のやり方でございます。

昭和50年11月19日 衆議院 法務委員会

[123]
日本共産党 諫山博
まず、警察庁に質問します。

トロツキストの内ゲバ暴力事件というのはいつごろから始まったのか、現在までに何件くらい発生しているのか、死亡者及び負傷者の数はどのくらいになっているのか、年度別の数字と現在までの総計を警察庁から御説明ください。

[124]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
お答えいたします。

内ゲバ死亡事件が発生いたしましたのは昭和44年からでございますが、ことしの10月末までに36件の死亡事件が発生しております。その結果43人の人が亡くなっておる、こういう結果でございます。

[125]
日本共産党 諫山博
私の質問は負傷者についても聞いているし、年度ごとの内訳も聞いております。

[126]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
お答えいたします。

死亡事件でございますが、44年には2件発生しております。45年が2件でございます。46年が4件、47年が2件でございます。48年は1件、49年は10件、本年が15件でございます。

負傷者でございますが……。

[127]
日本共産党 諫山博
ついでに、年度ごとの死亡者も説明してください。

[128]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
いまのが死亡者の件数でございます。

[129]
日本共産党 諫山博
件数ではなくて死んだ人の数です。これは件数と一致しないでしょう。

[130]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
お答えいたします。

44年が2人でございます。45年が2人、46年が5人、47年が2人、48年が2人、49年が11人、50年が19人でございます。

[131]
日本共産党 諫山博
ことしは19人ですか。

[132]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
さようでございます。

[133]
日本共産党 諫山博
では、いまのような要領で負傷者の説明をしてください。事件及び負傷者、これを年度別に。

[134]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
発生件数でございますが、負傷者だけでよろしゅうございますか。

[135]
日本共産党 諫山博
はい。

[136]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
44年は1143人でございます。45年は525人、46年は420人、47年338人、48年573人、49年607人、本年は517人でございます。

[137]
日本共産党 諫山博
年度別の負傷者の数はわかりましたが、発生件数はどうなりますか。

[138]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
お答えいたします。

44年は308件でございます。45年175件、46年272件、47年183件、48年238件、49年286件、50年は10月末でございますが215件でございます。

(「そんなのは整理してプリントにして提出したらどうだ」と呼ぶ者あり)

[139]
日本共産党 諫山博
いま整理してプリントで提出したらどうかという発言がありましたが、まさに私はこのことを要求したのです。これを事前に資料としていただいておれば、このとおりですかという質問で済むから、そういう進行をしようじゃないかということを求めたわけですが、どうしても資料を提供してくれずに、聞かれたら答えましょうという態度でしたから、時間が長くなるかもしれませんが、これを繰り返します。

そこで死亡事件、それから死亡には至らなかった負傷事件の数と被害者の数が明らかになりましたが、この中で被疑者と目されている人の数はわかりますか。

[140]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
残念ながら、これについてはつまびらかにしておりません。

[141]
日本共産党 諫山博
それは、つまびらかにしようと思えばできることですか、それとも不可能なことですか。何人ぐらいの被疑者がおったのかということを私は年度別に知りたいわけです。

[142]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
残念ながら、未検挙の事件もかなりございますし、被疑者側はもちろん、被害者側の協力も十分ではない状況でございますので、被疑者の数についてはつかみ得ない、これが実情でございます。

[143]
日本共産党 諫山博
これは、私が要望したけれども怠慢で調べなかったというのではなくして、現在では何名の被疑者がいるのか、つかみようにもつかみようがないという意味ですか。

[144]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
いわゆる検挙、解決に至っている事件についてはつかんでおりますし、捜査が進展しておりまして、そういう状況についてもかなりつかんでおる事件はもちろんございますが、総数ということになりますと、未検挙事件を含んでおりますので、つかみ得ないというのが実情でございます。

[145]
日本共産党 諫山博
どうも、調べようにも真相がつかみにくいという説明のようですが、それでは何名検挙されたのか、これはわかりますか。年度ごとに説明してください。

[146]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
お答えいたします。

44年度は987人を検挙しております。45年度は584人を検挙しております。46年度は216人を検挙しております。47年度は164人を検挙しております。48年度は361人を検挙しております。49年度は428人を検挙しております。50年度でございますが、10月末現在で561人を検挙しております。

[147]
日本共産党 諫山博
いまのは、死亡事件、負傷事件合計した数ですか。

[148]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
さようでございます。

[149]
日本共産党 諫山博
犯罪白書などではしばしば検挙率というのが問題になるわけですが、死亡事件、傷害事件の検挙率はどうなっているのか、年度別に説明してください。

[150]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
お答えいたします。

殺人事件の検挙率でございますが、昭和48年、49年の2年間とも96%台でございます。傷害致死事件の検挙率でございますが、48年が94%、49年が91%という状況でございます。

[151]
日本共産党 諫山博
その場合の検挙率というのは、どういう数字になっているんですか。検挙率の内容です。

[152]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
これは警察庁刑事局の調査統計を担当しておる部局でやっておることでございますが、検挙件数を認知件数で割って100を乗じたものでございます。

[153]
日本共産党 諫山博
法務省に質問します。

いま死亡事件、負傷事件の発生件数、被害者数、検挙数が説明されましたが、この中で公訴提起をされた人が何名いるのか、公訴提起をされた事件が何件あるのか、説明してください。

[154]
政府委員(法務省刑事局長) 安原美穂
先ほど来の警察御当局のお答えは、発生の件数を基準にして行われておりますが、警察と私どもとは統計のとり方が違いまして、私どもは、件数よりも、どれだけの人間を刑事訴訟法上内ゲバ死亡事件の被疑者として受理し、それをどのように処理したかということになりますので、勢い、結論は人員数によって申し上げることになりますが、その点を御理解いただきましてお答え申し上げますと……。

[155]
日本共産党 諫山博
そうしたら、警察から送致を受けて受理した人数と起訴した人数がわかりますね。それを44年から年度別に説明してください。

[156]
政府委員(法務省刑事局長) 安原美穂
昭和44年は内ゲバ死亡事件、したがって罪名は殺人、傷害致死等になりますが、昭和44年は受理人員が3名で、すべて起訴して起訴3名、それから45年は受理人員が8名で起訴8名、46年は受理1名で、所在不明ということで中止処分になっております。

47年は21名受理いたしまして、起訴19名、不起訴2名、48年は受理6名、起訴5名、それでいまだ処分留保1名、それから49年は受理38名、起訴34名、不起訴1名、少年のため家裁送致2名、処分留保1名、50年は10月末でございますが、22名の受理をいたしまして、起訴が18名、処分保留が4名、以上でございます。

[157]
日本共産党 諫山博
負傷した事件について同様のことを説明してください。

[158]
政府委員(法務省刑事局長) 安原美穂
これは内ゲバ事件全体の数を申し上げればいいかと思いますが、昭和45年から以降について申し上げますと、45年は受理人員426名、起訴152名、不起訴210名、家裁送致64名、46年は受理334名、起訴116名、不起訴185名、家裁送致30名……

(「委員長、資料として提出させろよ」と呼ぶ者あり)これは差し上げてあるのです。

――その他3名、これは中止処分等所在不明のためのものであります。それから47年は受理233名で、起訴75名、不起訴117名、家裁送致28名、その他の処分1名、48年は受理502名、起訴163名、不起訴299名、家裁送致31名、その他8名、49年は受理549名、起訴254名、不起訴255名、家裁送致18名、その他3名、今年は6月末の統計でございますが、受理137名、起訴81名、不起訴26名、家裁送致2名、その他5名、以上でございます。

[159]
日本共産党 諫山博
全般的な数字がわかりましたから、少し特定の事件について質問します。

まず、本年発生した死亡事件について質問しますが、本年の一番古い死亡者はだれですか。警察でわかりますか。

[160]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
これは3月の6日に警視庁管内で発生した事件でございますが、都内の日通航空新宿支店で荷物の発送中……。

[161]
日本共産党 諫山博
死亡者の名前だけ言ってください。

[162]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
堀内利昭でございます。

[163]
日本共産党 諫山博
これは6日ですか、7日じゃないのですか。

[164]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
6日でございます。

[165]
日本共産党 諫山博
堀内利昭が死亡した事件では、被疑者は何名いるのか、何名逮捕されたのか、何名起訴されたのか、説明してください。

[166]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
これは都内の日通航空の新宿支店で被害者が荷物の発送作業中に、これを自動車で追尾してきたと思われます中核派と見られる数人に襲撃をされて、鉄パイプで殴打されて、被害者と、ほかにもいたようでございますが、ほかの者はうまく現場から離脱したわけでございますけれども、被害者が死亡したという事件でございますけれども、現在、特別捜査本部を設けまして、関係先を捜索するなど捜査中でございます。数人の者についてしぼり込むところまできておりますが、残念ながら検挙にまでは至ってない、そういう状況でございます。

[167]
日本共産党 諫山博
これはいまの説明にもありましたように、渋谷区の路上で、衆人環視の中で起こっているはずです。私がこの事件を報道した朝日新聞の一部を読み上げます。「6日夕、東京都渋谷区の路上で革マル派幹部が、7~8人の中核派に襲われ、鉄パイプなどでめった打ちにされ、病院に収容されたが同夜9時半すぎ、頭部打撲と出血多量で死亡した。警視庁公安部は内ゲバ殺人事件として、代々木署に捜査本部を置き、捜査を始めた。」これは朝日新聞の3月7日付。大体こういう状況ですか。

[168]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
それではそのときの状況を報告いたします。

[169]
日本共産党 諫山博
詳しくはいいが、大体いま読んだような状況でしたか。

[170]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
ちょっと御説明したいと思いますが……。

[171]
日本共産党 諫山博
じゃ、簡単に説明してください、たくさんの事件を聞きますから。

[172]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
本件は、発生をいたしましたのが3月6日の17時13分ごろでございますが、発生とほとんど同時に110番が入っております。それによって警視庁としては事件の発生を認知したわけでございますが、それと間髪を入れずに、14分にはすでに緊急配備を発令をいたしまして、機動隊員2個中及び所轄署員が現場に参ったわけでございますけれども、現在までのところ、被疑者を特定するだけの、いわゆる確たる目撃をした目撃証人を得ることができない等により検挙に至ってない、こういう状況でございます。

[173]
日本共産党 諫山博
いまの事件をもう少し朝日新聞に基づいて読み上げますと、「同日午後5時10分ごろ、渋谷区本町3丁目の駐車場内で7~8人の若い男が1人の男を取り囲み、鉄パイプでめった打ちにしていると、通行人から110番があった。代々木署員がかけつけたところ、襲ったグループは全員逃げたあとで、路上に男が血まみれになって、意識不明で倒れていた。」中略「目撃者の話では、襲撃グループはいずれもサラリーマン風で、堀内さんをめった打ちにするとき「もっと打て、もっと打て」とかけ声をかけ合っていたという。襲撃後、全員が2台の車に分乗して、走り去ったが、このうち1台は目撃者がナンバーを覚えていて、同署は都内全域に手配、間もなく世田谷区松原1丁目の路上に乗り捨てられているのが見つかった。同公安部は現場に残された6本の鉄パイプの特徴などから襲ったグループは中核派とみている。」

これが事件の翌日の朝日新聞に報道されていますが、警察は、襲撃したのが中核派だと見ているのですか。

[174]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
諫山委員のただいまの御説明にもこざいましたが、確かにセクトを特定する場合に、鉄パイプの特徴というのは一つの着眼でございます。

そのほかに、本件につきましては、被疑者側は2台の自動車を使用しておるようでございますが、1台は現場から約500メートルぐらい離れたところにあった品川ナンバーの車でございます。それと、彼らがそれを使って逃走した車でございますが、これも現場に先着しました制服員が追尾をしておりまして、ナンバーだけは控えておりますので判明しておるわけでございますが、そういう点を含めてるる捜査を進めまして、襲撃したのは中核派である。

もう一つ中核派と見ておりますのは、3月7日の革マル派の会見と3月8日の中核派の会見でこの事件に触れた部分があるわけでございますけれども、そういう部分を含めまして、襲ったのは中核派というふうに見ております。

[175]
日本共産党 諫山博
内ゲバというのは、やくざのかたき討ちのように、あるセクトの幹部がやられると、それに対して復讐が宣言される。そして実際に復讐が行われる。今度は逆に相手側からそれに対する復讐をする。次から次に復讐合戦が繰り返されるわけですが、この鎖の一つの重要なかなめを占めているのがこの堀内利昭です。

堀内の所属している組織の出している「解放」という新聞にそのときの模様が次のように報道されております。「解放」のことしの3月17日ですが、公安調査庁持ってきていますか。「3月6日午後5時10分、解放社事務局員・「解放」発行名義人であり、反戦青年委指導にあたってきた同志難波力(本名、堀内利昭)は、2人の同志とともに日通航空新宿営業所において印刷物を地方諸組織へ発送する任務を遂行中、8人の襲撃者によって惨殺された。それは、ほんの一瞬の出来事であった。8人がかりで全身をメッタ打ちされた同志難波は、救急車が来た時にはすでに瞳孔が開き、呼吸困難に陥っており、」中略「9時35分、死亡したのである。」

これは、殺された堀内が所属している組織の「解放」に載っている記事です。

加害者の所属している組織の「前進」には、これを一つの戦果として次のように報道しております。法務大臣よく聞いてください。「カクマル政治局員・「解放」発行責任者難波力を完全せん滅」難波というのが、死んだ堀内のペンネームのようです。そして次のようにせん滅の模様を報道しております。「午後5時15分、わが革命的部隊は、難波が「異常なし」と奥に消えたあと、満を持して断固たる攻撃を開始した。謀略論の破産の中で、こともあろうにニセ「前進号外」を偽造するなどというCIAやナチスまがいの反革命的行為をどうして許しておくことができるというのか。わが部隊は正面玄関から同支店内作業場へ一気呵成に突入、このニセ「号外」策動の張本人難波力めがけて突撃した。2名の防衛隊残存JACは、わが部隊の姿を見ただけで戦意喪失、「ギャアー」という悲鳴をあげ、われ先にと逃げだしたのである。わが部隊は、追い求めてきた難波をどんなことがあっても逃がさないという決意も固く猛然と目にも止まらぬ速さで難波にくらいつきガッチリと捕捉した。2名の防衛隊は事務所の中に命からがら逃げこみ、「110番だ、警察を呼んでくれ」とわめく。だが、誰ひとりとしてこの醜悪な反革命分子に見向きもしない。わが部隊は、めざす難波をついに計量器の前でひっとらえた。」中略「難波はニセ「号外」発行という天人ともに許すことのできない反革命的罪状にふさわしく、みずからのドス黒い血の海に沈んだのである。わが部隊は、権力の非常戒厳体制をつき破り全員生還した。」

警察庁にもう一遍質問します。これだけの事件でだれ一人つかまえていないのですか。だれ一人検挙していないのですか。もう一遍答えてください。

[176]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
先ほどもちょっと御説明いたしましたように、いわゆる犯人をしっかと特定するだけの目撃者が得られないというむずかしい事情があるわけであります。革マルも触れておりますように、犯行が一瞬のできことであるということで、いわゆるこれが犯人であるということをはっきり指摘できるだけの参考人が得られないという事情があるわけでございますが、たださっきも申し上げましたように、遺留自動車、それから逃走しました自動車のナンバーその他、この犯人を特定するまでには至りませんが、若干でも目撃している人等からの事情聴取等を進めまして、幾人かの者についてしぼり込みを行っておる、こういう段階でございます。

[177]
日本共産党 諫山博
事件が起こったのはことしの3月6日です。そして、これを見た通行人が110番に電話しております。加害者の中核派ではおれたちがやったんだということを宣言しているわけです。これだけの事件でいまなお捜査の端緒もつかめないということは、私にはとうてい納得できません。現在何名捜査に当たっておりますか。

[178]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
本件につきましては、警視庁の公安部長を長といたしまする特別捜査本部を設けまして、42人の体制で捜査に当たっております。

[179]
日本共産党 諫山博
今度は次の事件に移ります。

その次に起こった事件は、本多延嘉殺しですか。警察どうですか。

[180]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
いわゆる殺害事件といたしましては、御指摘の3月14日に発生いたしました本多延嘉殺人事件でございます。

[181]
日本共産党 諫山博
3月6日に殺された堀内というのは革マル派の幹部で、この殺害事件に対して革マル派が復讐を宣言する、そして実際に復讐を行った。この復讐の最初の被害者が本多だったという経過だと思いますが、その点はどうですか。

[182]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
御指摘の点でございますが、3月14日の解放社での記者会見の内容ということで、私たちはまた聞きでございますけれども、そこでは、われわれが本日本多をやったのは同志である堀内らに対する階級的報復である云々ということを触れたというのを聞いております。

それから3月24日付の「解放」でございますが、「同志難波を」これは堀内のことでございますけれども、「失った悲しみを越え決意も固く新たな闘いに決起した。3月14日午前3時22分、わが全学連の戦士たちは、川口市戸塚のアパートで、現代版黒百人組の殺戮の最高責任者本多延嘉をしっかと捕捉し、」云々という記述がございますので、御指摘のようなことになろうかというふうに一応判断をしております。

[183]
日本共産党 諫山博
この本多事件では、被疑者が何名で逮捕者が何名で起訴者が何名おりますか。

[184]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
本件でございますが、本件は発生した3月14日同日に108人の体制からなる所轄署長を長とする捜査本部を設けまして捜査に当たっております。関係先を捜索する等目下捜査中でございますが、場所が田んぼの中に孤立しておる住宅である。しかも深夜に襲撃する際には電話線等あらかじめ切断をいたしまして、いわゆる犯行の発見、認知がおくれる手だてを講じて襲撃しております。事実、通報を受けるまでに3時間程度たっておるわけでございますが、それと被害者の家族を含めまして被害者側からの協力がほとんど得られないという非常にむずかしい条件の中でございますが、現在鋭意捜査中、こういう段階でございます。

[185]
日本共産党 諫山博
この事件では犯人と思われる連中が警視庁の記者クラブに電話をしているはずです。その電話の内容は、「今朝3時22分、東川口のアパートで中核派の本多を撃沈した。われわれの同志難波力が撃沈されたことへの報復であり、権力とゆ着している中核へのみせしめだ」これは3月14日の朝日新聞の記事です。こういう電話が警視庁記者クラブに入っているかどうか、確かめておりますか。

[186]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
その件については承知しておりません。

[187]
日本共産党 諫山博
調べてみましたか。それとも調べようともしなかったのですか。事件の翌日の新聞です。

[188]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
その時点では一応の調査をいたしましたが、その件についてははっきり掌握できない、こういう状況でございます。

[189]
日本共産党 諫山博
犯人と思われる男から警視庁記者クラブに、自分たちの犯罪の成果を誇る電話がかかった、これを調べたけれども真相がわからない、そんなべらぼうなことがありますか。本当に調べたんですか。答えてください。

[190]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
一応の調査はやっております。

[191]
日本共産党 諫山博
調査した結果は、電話がありましたか、ありませんか。

[192]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
それについては残念ながら確たる回答が得られていない、こういう状況であります。

[193]
日本共産党 諫山博
法務大臣には後でまとめて質問しますからよく聞いておいてくださいね。

中核派の書記長であった本多が殺された。そのために中核派の機関紙「前進」では復讐を宣言します。機関紙によりますと、「本多書記長虐殺に全国で怒り爆発 反革命本隊に復讐の巨弾」これが見出しです。そして次から次に復讐と称する人殺しが行われているはずです。そういう経過になっていることを知っていますか。警察はどうですか。

[194]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
お答えいたします。

中核派が3月16日に記者会見をしておりますが、その際に北小路政治局員がいわゆる革マル派の最高幹部らに対する、一応名前を挙げまして、同セクトとしては革マルに対する党派闘争を続けるんだという趣旨のことを言ったということを聞いております。

[195]
日本共産党 諫山博
本多書記長に対する復讐と称して次々に相手方に人殺しを加えるわけですが、その最初の犠牲者になったのが岡本良治と中島章ではありませんか。

[196]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
いわゆる本多書記長殺害事件と本件との続きぐあいとなりますともう一つつまびらかでございませんが、期日的には先生御指摘のように、3月20日に岡本良治及び中島章に対する事件が発生しておるということを承知しております。

[197]
日本共産党 諫山博
岡本良治、中島章殺害事件では、被疑者は何名か、逮補者は何名か、起訴者は何名か、説明してください。

[198]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
御説明いたします。

本件は、3月20日に被害者らが、この死亡しました2人にもう1人いるわけでございますけれども、3人で荒川区内のマンションに在室しておりました際に、鉄製の三段式のはしごをかけまして中核派と見られる10数人が侵入をして、いわゆる襲撃をした。鉄パイプで殴打をされて、岡本、中島の両名が死亡して、他の1名が重傷を負ったという事件でございます。

警視庁としては同日、公安部長を長といたしまする61名の体制からなる特別捜査本部を設けまして、関係先を捜索する等捜査を続けておるところでございます。本件も非常にむずかしい条件の中で鋭意捜査を進めまして、ある程度容疑者をしぼり込む段階には来ておりますが、もう一つ被疑者と断定するまでに必要な捜査を続けておる、こういう段階でございます。

[199]
日本共産党 諫山博
事件が起こったのは3月20日ですよ。われわれの常識からいったらこれは迷宮入りじゃないですか。

この事件について新聞がどういう報道をしているか読み上げます。事件が起こったのは3月20日の午前0時過ぎです。その日の朝日新聞夕刊は次のように報道しています。「目撃者などの話から、襲撃グループは6人組らしく、ホロつきの2トントラックで乗りつけ、トラックをマンションから150メートル離れた路上に止め、高さ5メートルの鉄ばしごを外からかけて、被害者のいた207号室のベランダに登り、バールやスコップでガラス戸を割って、中にはいり込んだらしい。襲撃グループのリーダー格は、白っぽいコートを着た身長170センチぐらいの体格のいい男で「頭をねらえ」と声をかけて指揮していたという。室内には血のついたふとんやこわれた家具、割れた窓ガラスなどが散乱し、部屋の内外には電動カッターや、まさかり、バール、鉄パイプ、ヘルメットなどが残されていた。捜査本部は、鉄パイプの特徴などから、襲ったのは中核派とみている。」

これは捜査権を持たない新聞記者の調査ですよ。事件が起こったその日の夕刊ですよ。

大体の状況はこの記事と違いますか。

[200]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
さっき御説明申し上げましたが、本件につきましては、いわゆる被害者宅のごく近くに住んでおった人の通報が最初でございますけれども、同人は電話線を切断されて使用できない等の状況がございましたので、数100メートル離れた下谷署の鷲谷派出所まで参りまして、そこで警察官に通報したという状況がございます。したがいまして、認知が若干おくれたという悪条件があったわけでございますが、0時10分の発生で現場に約30分後に到着しているわけでございますけれども、鉄パイプ、バール、エンジンカッター、それから折りたたみ式の鉄製はしご、そういうものが現場に遺留されておったことは事実でございます。

[201]
日本共産党 諫山博
襲撃グループのリーダー格が白っぽいコートを着た身長170センチぐらいの体格のいい男だったという点はどうですか。

[202]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
目撃者は40人程度を確保いたしまして、そういう点を含めまして捜査を進めておりますが、いわゆるこの人物であるというふうに特定できるだけの目撃者は、この件についても得られておらない、これが実態でございます。

[203]
日本共産党 諫山博
この事件について、襲撃側である中核派の機関紙「前進」は次のように戦果を誇示しております。ことしの3月24日付の「前進」、関連の部分だけ読み上げます。

「本多書記長虐殺に復讐の巨弾 全逓カクマル東京東部アジト爆砕 岡本、中島を完全せん滅」以上が見出し。「3月20日午前0時すぎ、わが革命的部隊は、全党・全軍、全人民の先頭にたち、本多書記長虐殺にたいする復讐の第一弾を放つべく、荒川区東日暮里今村マンション2階207号室にある全逓カクマル東部アジトに攻撃を開始した。」中略「断末魔のあがきとはよく言ったものである。正しくも「完全せん滅される!」と直観した岡本は、往生際悪く部屋中を逃げまわり、しまいには隣りの6帖間にころげこみ、ぶざまにもフトンの中に頭をつっこんで何とか助かろうとしたのである。わが部隊は、このごにおよんで醜悪な岡本を有無を言わせずフトンの中からひきずりだし、その頭上に大上段にかまえたバールを渾身の力を込めてふりおろした。完全せん滅の決意も固くうちおろされたこの一撃で岡本ははやくもいっさいの抵抗をやめた。だが、わが部隊の怒りはとどまるところを知らない。こいつが、このカクマルが、本多書記長を殺したんだ!こいつが万一反革命として再生したら本多書記長に顔むけができない!完全せん滅し新しい完全赤色テロの時代をひらくんだ!わが部隊は、休むことなく、岡本の脳天にバールを連続的にうちおろし地獄の底の底までつきおとしてやったのである。あたり一帯は文字どおり岡本の血の海となった。」

こういう文章が延々と続いております。公安調査庁、この「前進」はあなたのところにあるはずですが、こういう記事が載っておりますか。

[204]
政府委員(公安調査庁次長) 渡邊次郎
そのとおり記事が載っております。

[205]
日本共産党 諫山博
法務大臣にちょっと聞きます。

あなたは、わが国の治安に責任を負う立場にあると思います。私はことし起こった内ゲバ事件の3つについて質問しました。みんな半ば公然と事件が起こり、事件が起こるとその戦果を機関紙で誇示する。中には事件直後に警視庁の記者クラブに電話して、いまやっつけたんだというようなことまで言っている。ところが、いまの説明で明らかなように、犯人の目星さえついていない。逮捕されていないどころか、だれが犯人かさえわからない、こういう状態です。しかし、その犯人がどのような組織に所属している男だということは、もう彼ら自身がちゃんと説明しております。こういう事実を見て、どう思いますか。

[206]
法務大臣 稻葉修
治安当局のこけんにかかわる重大な問題で、一網打尽にぎゅっとやっつけてやりたいという気持ちです、気持ちだけは。

[207]
日本共産党 諫山博
そう言われますけれども、たとえば3億円事件で非常に力を入れて捜査しております。もしあの捜査の10分の1の力でも入れたらこの程度のことはつかまらぬはずはないじゃないですか。3億円事件の場合は1億国民の中から犯人を捜しているわけですよ。いま私が問題にしている事件は、少数の革マル、中核の中に犯人がいる。この中に犯人がいることは彼ら自身が明言しているわけです。

そこで私は、公安調査庁の次長に質問します。いま革マルというのは何名ぐらいの組織人員がいるのですか。中核はどうですか。

[208]
政府委員(公安調査庁次長) 渡邊次郎
お答えいたします。

両派の実勢力、構成員数につきましては、目下鋭意調査中でございますが、いわゆる構成員とそれから同調勢力とがいつも混在しておりまして、なかなかはっきりした区別ができないというような状況で調査には若干難渋をしておりますものの、現在のところ構成員及び緊密な同調勢力を合すると、両派とも2000数百名と見ております。

[209]
日本共産党 諫山博
犯人がどちらかの組織に所属しているということは明らかなんですが、その場合に、こういう事件を起こしかねないというようなグループは何名ぐらいだと公安調査庁は見ていますか。

同調者とかそういうのは一応除外して、こういう復讐劇に積極的に参加しかねない連中というのはどのくらいいるのですか。

[210]
政府委員(公安調査庁次長) 渡邊次郎
お答えいたします。

その点も一応推定になりますが、両派とも実行部隊、実力部隊と言っている者は大体200~300ぐらいだと思います。

[211]
日本共産党 諫山博
警察庁に質問します。

私がいま列挙した3つの事件が、この2つの組織のいわば中心的なメンバーによって行われたということは、警察庁としてはっかんでいますか。それとも違うところに犯人はいると見ているのですか。

[212]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
お答えいたします。

実は先生事前にお見えになった際に、内ゲバ事件についてはいわゆる検挙人員という形でとらえておって検挙件数を押さえておりませんと申し上げましたことと絡まるわけでございますが、一般の殺人事件の場合には、49年、48年とってみましても、さっき御説明したとおりの数字でございますけれども、検挙人員を検挙件数で割りますと1.0とか1.1という数字でございます。要するに、1人検挙いたしますとそれで解決と申しますか、検挙率が即解決率という形でございますけれども、内ゲバの場合には、44年からの平均をとってみましても、1件について検挙した者が大体13~14人になっております。

そういうことで、最近はいわゆる遭遇戦ではなしに、細かい事前の調査をやって襲撃するという形をとっておりますので、これは中核、革マルのいわゆる実行部隊と申しますか専門的な部隊がやっておる。したがいまして、そういう者は非常に残念ではございますけれども検挙して隔離する形が最も抑止につながるということで、人員という形で押さえておる。1件について1人検挙しましても内ゲバの場合にはとうていその事件解決ということにはまいらないということで、人員でとらえている、こういうことでございます。

したがいまして、御質問のこれらのいわゆる実行部隊がやっておるのかという御指摘でございますが、非常につまびらかなものは持っておりませんけれども、判断としてはやはり実行部隊がやったであろう、こういうふうに見ております。

[213]
日本共産党 諫山博
実行部隊というのは、公安調査庁の次長の説明によればそれぞれ200~300名じゃないか。この中から犯人が捜せないというべらぼうなことがありましょうか。

そこで、私は、次の事件に移ります。

その次に起こった死亡事件というのは、西田はるみ殺害事件ですか。それはどうですか。

[214]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
御指摘の3月27日に発生いたしました西田はるみ殺害事件でございます。

[215]
日本共産党 諫山博
この事件も本多書記長が殺されたことに対する復讐として行われております。西田はるみというのは女性で、川崎市役所に働いている自治労の組合員です。

この事件では被疑者は何名か、逮捕者は何名か、起訴者は何名か、説明してください。

[216]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
本件は、諫山委員御指摘のように、3月27日に被害者が勤め先であります川崎市役所から退庁しようとしまして裏門から路上に出たところを、中核派と見られる数人に襲撃をされて、鉄パイプで殴打され死亡したという事件でございますが、その際たまたま自動車で通りかかった一般人がこれを追跡いたしまして、常人逮捕をしております。

神奈川県警としましては、同日所轄署長を長とします80人の体制から成る捜査本部を設けまして、関係先等を捜査しておる段階でございます。逮捕した犯人は全くの完黙状態でございましたが、3月29日に殺人罪で送致をしております。

以上でございます。

[217]
日本共産党 諫山博
そうすると、警察としてはこの事件で逮捕したのは1人、検察庁に送ったのは1人、こういうことになりますか。

[218]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
さようでございます。

[219]
日本共産党 諫山博
法務省に質問します。

この事件で起訴した人は何名ですか。

[220]
政府委員(法務省刑事局長) 安原美穂
ただいま御説明の送致を受けました1名をそのころ殺人罪で公判請求をいたしております。

[221]
日本共産党 諫山博
この事件は珍しく犯人の1人が逮捕され、起訴されているのです。ところが、この事件の犯人は3人いたはずです。そして、この逮捕というのは警察がつかまえたのではなくて、通りかかった人がつかまえているはずです。どうなんですか。

[222]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
さっき御説明いたしましたように、常人逮捕でございます。

[223]
日本共産党 諫山博
法律用語を使われましたが、わかりやすく言えば、警察がつかまえたんじゃなくて通行人がつかまえたんだということですか。

[224]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
そのとおりでございます。

[225]
日本共産党 諫山博
当日の朝日新聞はどういう報道をしているかというと、「襲われたのは、川崎市役所広報課職員、西田はるみさん(26)で、同日午後4時40分ごろ、川崎市川崎区宮本町の川崎市役所裏で、鉄パイプを持った3人組の男に頭をなぐられ、近くの病院に運ばれたが、頭の骨が折れていてすでに死んでいた。犯人の1人は通りがかった市職員らがつかまえて、川崎署に突き出した。」中略「西田さんは市役所駐車場内で3人の男と話し合っていたが、口論となり、西田さんが駐車場から飛び出したところを、3人組が頭をメッタ打ちにした。3人組はそのまま国鉄川崎駅方面に逃げようとし、1人がつかまった。現場には長さ60センチ前後の鉄パイプ3本が残され、鉄パイプの空洞は鉛のようなもので埋めてあった。」中略「逃げた2人のうち、1人は身長約160センチで、カーキ色のコートを着、サングラスをかけていた。残る1人は22~23歳でグレーのコートを着ていたという。」

この最後の指摘は、警察の調査に合いますか。警察、どうですか。

[226]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
本件の捜査状況でございますが……(諫山委員「結論だけでいいです、たくさん聞きますから」と呼ぶ)まず、捜査でございますから、逮捕した被疑者の取り調べについて特に力を入れるわけでございますけれども、本人は全くの完黙状態で氏名がわからずに、ビラを5万枚印刷して配付いたしまして、それを見た一般人がこのビラであれば非常に似た人がいるということで協力をしてくれまして、それが実は本人の実兄だったわけでございます。それでどうにか名前が割れたというような状況でございまして、大変苦労しておる状況でございます。

ただいま御指摘の点も含めて捜査をしておりますが、この逮捕した人物以外についてはいまのところ具体的な形で名前が浮かんでおらない、こういう状況でございます。

[227]
日本共産党 諫山博
事件直後の朝日新聞は、逃げた2人の服装、身体の特徴まで報道しているのですよ。そして、この犯人は1億国民の中にまぎれ込んだのじゃなくて、200~300人の活動家の中に潜入しているわけですよ。

この事件を報道した加害者側の「前進」という機関紙は3月31日付で次のように言っております。「反革命白色テロ分子を完全せん滅 教育大カクマル出身、白色襲撃態勢基幹部と直結する札つきの反革命 川崎市職潜入分子西田に復讐の階級的鉄槌」

これはおれたちが仕返しのために西田を殺したんだということを自慢しているんです。これだけの事実があって、日本の捜査機関というのは犯人を逮捕することができないのですか。なるほど1人はつかまりました。起訴されました。これは警察がつかまえたのじゃなくて通行人がつかまえておる。事件が起こったのは川崎市役所の裏口です。昼間です。法務大臣、どう思いますか。

[228]
法務大臣 稻葉修
どうも警察の能力というか意気込みというか、少し間が抜けているように思いますがね、私は警察を指揮する責任者でないものですから、私のことをにらみつけて文句を言われても困るわけです。

[229]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
能力、意気込みという御指摘でございましたけれども、いわゆる犯人検挙がはかばかしく進んでいない点については御指摘のとおりでございますが、実は意気込みの点では決して力を抜いているわけでございませんで、さっき御指摘の3億円事件の捜査体制は現在80数名でやっておりますが、内ゲバ殺人事件につきましては、さっき申し上げましたように、小さいものでも数10人、大きいものについては100人、200人の捜査体制で取り組んでおるわけでございます。

44年からの事件につきましても、44年、5年、6年、7年、8年までの分は、46年12月の三重大学の分を除きましてすべて解決しております。いわゆる1人、2人検挙ということでなしに、全貌を解明して解決しております。

ただ、発生から解決までの時日を、内ゲバ事件の場合、1年あるいはそれ以上を要することが多うございまして、昨年発生、ことし発生の分について遺憾ながら未解決事件を抱えておる、こういう実態であることをひとつ御理解いただきたいと思います。決して力を抜いておるわけではございません。

[230]
日本共産党 諫山博
私はとても納得できません。

その次の死亡事件というのは、被害者が船崎新という人ですか。

[231]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
4月1日に発生いたしました船崎新殺人事件でございます。

[232]
日本共産党 諫山博
この被害者は革マルの千葉県委員長ですが、この事件で被疑者は何名か、逮捕者は何名か、起訴者は何名か、説明してください。数字だけで結構です。

[233]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
これは4月1日に都内の喫茶店で……(諫山委員「数字だけで結構です、まだたくさん聞きますから」と呼ぶ)これについては瞬間的な犯行でございまして、いわゆる犯人を特定するに足る目撃者が現在のところ得られていないということで、むずかしい条件の中で捜査を続けておるところでございます。

犯人については数名と、こういうふうに見ております。

[234]
日本共産党 諫山博
犯人数名ということはわかるけれども、名前はわからない、1人も逮捕していない、もちろん1人も起訴していないということのようですが、この事件が起こったのは東京都墨田区の喫茶店です。

喫茶店の中で鉄パイプで襲撃されているのですよ。そして、この事件についても加害者側の機関紙が戦果を誇示しております。そういう記事があることを公安調査庁は知っていますか。

[235]
政府委員(公安調査庁次長) 渡邊次郎
知っております。

[236]
日本共産党 諫山博
加害者側の機関紙は次のように報道しています。「白色襲撃態勢に壊滅的打撃」「前川、清水撃沈に続く大戦果」、中身は「この日夜10時すぎ、わが革命的部隊は、東京墨田区向島の喫茶店「ナイル」で、白色襲撃のための活動を統括・指揮しているまっさい中の船崎をがっちり捕捉した。」中略「カモフラージュのためビールを飲みつつ自分で人目をはばかりながら某所に電話をしたり、その直後「イワタ」というコールネームで再三電話口に立ってヒソヒソ小声で会話をしたり、白色襲撃隊との連絡をたえずとっていたのである。わが革命的部隊は一気に突入し、本多書記長虐殺という未曽有の反革命的悪業をはたらいた下手人の一人である船崎に津身の怒りを込めた鉄槌をうちおろし、せん滅したのである。わが部隊は、権力の厳戒体制を破り、全員生還した。」

こんなふざけたことがありましょうか。午後10時ごろ喫茶店の中で起こったのですよ。数名がやったということは警察も認めております。当然、喫茶店の人はそばにいたはずなんです。そして、犯行の模様を加害者側が詳細に報道する。これは大戦果だと言っているのです。どうしてこんな事件をつかまえませんか。警察に責任がないと言われるだろうと思って、私は公安委員長の出席を要求しました。ところが、公安委員長は出てきません。法務大臣としてはどう考えますか。

[237]
法務大臣 稻葉修
こういう事件、しかも堂々とそういう機関紙を出して自分たちの行動を世間に誇示しているようなやり方に対しては、まあ法務省も治安当局者ですから、治安当局はなめられているような気がしてしようがないのです。断じてこれは放置すべきものではない。公安委員長に強くもっとしっかりやってもらわなければ困る。送検してきたら法務省としてもこれは厳正にやるんだ、そういうふうに申し上げるよりしようがありません。今度公安委員長を呼んでいまのようなことをよく聞かせてやってください。

[238]
日本共産党 諫山博
次に移ります。

その次の殺害事件というのは、4月26日に起こった服部多々夫と鈴木和弘の事件ですか。

[239]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
4月26日に発生いたしました服部多々夫と鈴木和弘に対する襲撃殺害事件でございます。

[240]
日本共産党 諫山博
この事件では被疑者は何名いるのか、逮捕者は何名なのか、起訴者は何名なのか、説明してください。

[241]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
本件も、都内の渋谷区内の喫茶店で被害者両名が飲食中に中核派と見られる数人に襲撃されて両名が死亡したという事件でございますが、これにつきましては、鋭意捜査を進めまして、現在容疑者数人についてしぼり込みを行って裏づけ捜査をやっておる段階でございます。

[242]
日本共産党 諫山博
これは2人殺されているのです。そして、やはり本多書記長に対する復讐だということになっているのです。

事件の起こった翌日の朝日新聞は次のように報道しています。「同日午後2時35分ごろ、東京都渋谷区代々木2丁目、増田ビル1階の喫茶店「ダフネ」に鉄パイプを持った7~8人の男が乱入し、店内の別々の席にいた2人の客をめった打ちにした。さらに騒ぎに驚いて表に飛び出そうとした客の日大生杉山茂さんをもなぐり、新宿駅方向に逃げた。」中略「目撃者などの話によると、襲撃グループは、入り口近くの席で1人で地図を広げていた服部さんに「この野郎」と襲いかかり、30~40回もなぐりつけた。さらに数人が奥の席にいた鈴木さんにもなぐりかかった。当時店内には、被害者のほかにアベックなど約10人の客と6人の従業員がいたが、突然の惨劇にぼう然、止める間もなかったという。」中略「最高指導者の本多延嘉書記長を革マル派によって殺された中核派による報復の内ゲバは、とどまるところを知らない。26日、また革マル派幹部1人が死亡した。本多書記長が殺されたさる3月14日以降、革マル派とみられる犠牲者は5人になった。」中略「実際、中核派による革マル派に対する攻撃は次々と発生している。もっとも、革マル派も全く手をこまねいているわけではなく、さる11日、東京都内で元中核派全学連幹部が襲撃されたように「防衛のための反撃」はするといっており、「内ゲバ戦争」は終わりそうにない。」

これが朝日新聞です。

次に、加害者側が出している「前進」はどのように報道しているかといいますと、「3・14反革命虐殺の首謀者、下手人 カクマル政治局員服部、白色テロ隊長鈴木完全殱滅」これが表題です。中身を読みますと、「4月26日昼すぎ、わが革命的部隊は、新宿駅西口前の喫茶店で、真昼間から白色襲撃の謀議をしていたカクマル政治局員、「解放社」責任者であり、なによりも憎むべき3・14虐殺首謀者の1人である服部多々夫と3・14下手人であり、JAC白色殺人テロ隊長である早大社会科学部4年鈴木和弘を捕捉し、本多書記長暗殺への煮えたぎる怒りの制裁を加え完全せん滅した。このたたかいは3・20反革命武装アジト爆砕・全逓潜入カクマル岡本、中島完全せん滅、3・27川崎市職潜入の札つき白色テロリスト西田完全せん滅、4・1虐殺下手人船崎完全せん滅につづく3・14反革命突破=4月全面大攻勢の白眉をなす決定的な大戦果である。」

人殺しを大戦果であると自慢しているのです。

さらに犯行の模様を詳細に報道しております。「2時20分、服部と鈴木が連れだって「ダフネ」に入る。服部が入口近くの席に坐り鈴木はしばらく服部と話してから奥へ、さらにもう1人の反革命分子が入ってきて服部と話して奥に行く。かわるがわる地図を広げた服部の席に訪れ、頭をつき合わせてヒソヒソと小声で白色襲撃のための謀議と指令を行う。鈴木らは、白色テロ隊長として服部から指令をうけまさに出撃せんとしていたところなのだ。その何よりのあかしとして、鈴木は、ふところに60センチのつなぎの鉄パイプをひそませていたのである。わが革命的部隊は、一気にこの「ダフネ」に突入、真一文字に狙い定めた服部と鈴木へと殺到し、怒りの鉄槌を全身の力をこめてうちおろした。本多書記長虐殺へのにえたぎる怒りをこめて、うちのめし、せん減したのである。わが部隊は、権力の非常戒厳体制をうち破り全員堂々帰還したのである。」

全く言語道断な事件じゃありませんか。白昼公然と行われているのです。たくさんのお客さんがいるのです。1回で一突きしたというんじゃなくて、何10回とめった打ちにしているのです。これで犯人がつかまらない。私は、幾ら警察が一生懸命やっていると言ってみたところで信用することができません。いつごろまでにつかまえるつもりですか、警察、答えてください。

[243]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
お答えします。

本件につきましては、犯行の翌日の27日に革マルが記者会見をやっております。その内容を伝え聞いたわけでございますけれども、革マル派としては中核派を殺人罪で告発する、被害者の家族は殺人罪で告訴をするということを言ったそうでございます。ところが、記者からの質問に対して、告訴、告発するというのは警察の捜査に協力をするということかという質問に対して、権力の態度に問題があるので協力はできないというのが革マルの記者会見の内容ということで伝わってきております。いわゆる被害者側の協力が全く得られない。

しかも犯行の状況が時間的には非常に瞬間的と申しますか、短時間に敢行をされておる状況でございまして、確かに数10名の目撃者から事情を聴取して調書化することはいたしておりますが、さればこの人物が間違いなく犯人であるということはどの目撃者からも得られないという状況でございます。そういう中で、現場の遺留品等を含めて、鋭意捜査を進めておるという段階でございます。

[244]
日本共産党 諫山博
法務省の刑事局長に質問します。

警察は、何とかかんとか弁解します。その弁解の中心になっているのは、みんなが黙否するからだ、被害者が協力しないからだと、こういう言い方をしているのです。被害者が協力しない、関係者がしゃべらない、こういうことが犯人を逮捕しない口実になりましょうか。現在の刑事訴訟ではそういうたてまえはとっていないはずです。まだこれは検察庁に送ってきてないから検察庁の分野ではないかもしれませんが、こういう問題に対してどう考えますか。

[245]
政府委員(法務省刑事局長) 安原美穂
内ゲバ事件の検挙が、先ほど来警察御当局の苦心にもかかわらず、いわゆるはかばかしくないということにつきましては、検察といたしましても重大な関心を抱いておるところでございまして、いわゆる公安労働係検事の集まり等におきまして、内ゲバ事件の検挙の困難性について検察なりに検討を重ねておるところでございます。

結局、検挙が結果的にはかばかしくない原因といたしましては、先ほど警察御当局から御説明のようなことが原因でございまして、何と申しましても、この種の問題につきましては、先ほど公安調査庁御当局の御説明のように、どうもいわゆる特別の組織、実行部隊のようなものによって行われておるようでありますが、彼らの計画がきわめて隠密であり、査察、内偵を徹底して、しかも瞬時に犯行を計画的に行うという意味において、事柄が瞬間の出来事であるがために非常に目撃証人の正確な認識を得ることができないということと、それから瞬時にして風のごとく去るということで、いわゆる警察部隊が出動する間もなく逃走するというようなことが現場検挙を非常に困難にしておる原因ではないか。つまり、犯行が隠密に計画され、きわめて緻密に、組織的に、機動的に行われることが検挙の困難性の大きな原因ではないかということが言われておるのでございます。

それから第2の問題としては、諫山先生の御指摘の、およそこういう犯罪につきましては、被害者が被害を申告してくれるということが捜査を容易にする基本の前提でございますが、先ほどの革マル派の新聞にも出ておりますように、自分らは権力の厄介になって、そして犯人を検挙してもらうのじゃなくて、法に対しては、自分みずからが反抗するのだという、権力のお世話にならないという前提でございますから、およそ被害の申告というようなこともいたしませんし、犯罪の捜査に協力をしないというのが実態でございますので、これが法律上の強制される義務ではないことはわかっておりますが、やはり犯罪捜査というものは被害者の協力を前提としてそれが円滑に行われ、法律的に行われるのが実態でございますので、これもやはり一つの非常にむずかしい問題でございます。

なお、協力をしてもらいましても、その組織同士では余り知らない、面識のない場合でございますので、犯人の特定が非常にむずかしいということもございますし、なお、科学的な捜査に対するさらにカウンターメジャーといいますか、対抗措置といたしまして、手袋をつけて指紋の検出を免れるというような意味において、鑑定上もなかなかむずかしい問題があるというようなこと、あるいは非常に組織の把握がむずかしゅうございますので、そういう事件が行われて押収捜索をやるにしても居宅が不分明であるというようなことが原因になっておるというふうに検察当局としても見ておりまして、警察当局のあながち熱意の不足というふうには私どもも考えておらない次第でございます。

[246]
日本共産党 諫山博
どうしてそんなに一生懸命弁解しなければならないのですか。瞬時にしてと言いますが、この事件は、30数回めった打ちしているんですよ。場所は喫茶店ですよ。何10人という見物人がいるんですよ。幾ら弁解してみたところで、これを犯人をつかまえないということの弁解になりますか。

たくさん事件がありますから、次の質問をします。

その次に殺されたのは竹原寿です。5月7日。

[247]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
5月7日に鹿児島県で発生いたしました内ゲバ事件でございます。

[248]
日本共産党 諫山博
この事件では、被疑者は何名、者は何名、起訴者は何名ですか。結論だけ答えてください、数字で。

[249]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
これは5月7日のまさに早朝に被害者ら4人がアパートにおりましたところを、中核派と見られる数人に襲撃をされて、その中の1人が死亡したという事件でございますが……

[250]
日本共産党 諫山博
数字だけ答えてください。

[251]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
これもいわゆる本多書記長殺害事件と非常に似ておりまして、侵入する際に電話線等を切断をして侵入をする。しかも被害者側の協力がこれも全く得られない事案でございます。そういう苦しい状況の中で鋭意捜査を続けておるという段階でございます。

[252]
日本共産党 諫山博
結局だれがやったのか見当もつかない、逮捕も、起訴もしてない、こういうことですか。

[253]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
現在のところ逮捕者を確保するには至ってない、こういう段階でございます。

[254]
日本共産党 諫山博
公安調査庁に質問します。

この事件についてことしの5月12日付の「前進」に戦果を誇示する報道がされていることを知っていますか。

[255]
政府委員(公安調査庁次長) 渡邊次郎
お答えいたします。

「前進」に記事が載っております。

[256]
日本共産党 諫山博
どういう形で戦果を誇示しているかと言いますと、「5月7日午前4時、わが革命的部隊は、鹿児島市冷水町にある鹿児島カクマル幹部の本拠アジトに突入、中にいた県委員長梯、竹原ら最高幹部4名を全員せん滅した。岩谷アパート1階2号室のアジトは、梯らが5月になってからつかいだしたばかりで、われわれに知られていないと信じて疑わず安心してぐっすりとねこんでいたというわけである。わが部隊は、一挙せん滅のチャンス到来に意気あがり、正面から堂々と突入、怒りの革命的鉄槌をうちおろしたのである。」中略「わが部隊は全員無事帰還した」

全くばかにした記事じゃないですか。これだけの事件をなぜつかまえませんか。また同じような弁解ですか。

[257]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
実はこの事件につきましては前段がございまして、この事件の被害者4人のうち3人が同じ鹿児島県下でことしの2月と4月に発生いたしました事件の被害者でございます。そこで、警察としては彼らの身辺を守ることを念頭に置きまして、3度から5度それぞれの人物について申し入れをしたわけでございますが、その都度拒否されております。

そうして、このアパートを借りる際には、全くの偽名でことしの1月に借りたわけでございますけれども、借りて、しかも1月くらいはそのまま放置して使用した。それも3日に1度ぐらいそこに来て泊まるという状況でございまして、要するにアジトを転々として隠しておったという状況でございます。そういうむずかしい状況の中で捜査を続けているわけでございますが、いまのところ残念ながら検挙者を縛るに至っていない、こういう状況でございます。

[258]
日本共産党 諫山博
次に起こった事件は、岡山大学の大沢真という人の殺害事件ですか。

[259]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
5月25日に発生いたしました大沢真殺人事件でございます。

[260]
日本共産党 諫山博
この事件では犯人が起訴されているようですから、私は次の事件を質問します。

その次は6月4日に起こった碓井規義、藤井陽一、米田真重3名を殺した事件ですか。

[261]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
6月4日に発生いたしました碓井規義、藤井陽一、米田真章殺害事件でございます。

[262]
日本共産党 諫山博
この事件では被疑者は何名か、逮捕者、起訴者は何名か、数字だけ答えてください。説明は結構です。

[263]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
本件につきましては、殺人未遂、兇準等で4人を検挙し、送致しております。これはいわゆる大阪市立大構内における集団的なゲバでございますので……。

[264]
日本共産党 諫山博
わかりました。4人を送致したわけでありますね。

[265]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
さようでございます。

[266]
日本共産党 諫山博
被疑者の数は何人ぐらいだと目しておりますか。

[267]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
数10人というふうに見ております。

[268]
日本共産党 諫山博
この4人については検察庁はどのような処分をしましたか。

[269]
政府委員(法務省刑事局長) 安原美穂
御指摘のように4名を受理いたしまして、そのうちの2名につきましては殺人罪等で公判を請求し、あとの2名につきまして、いまだ犯人であるという特定に至らないということで捜査中でございます。

[270]
日本共産党 諫山博
起訴されていない2名は釈放されていますか。

[271]
政府委員(法務省刑事局長) 安原美穂
そのとおりでございます。

[272]
日本共産党 諫山博
これは大阪市立大の非常に大規模な内ゲバ事件です。3名が死亡するという大変な事件で、被疑者の数は数10名だという見通しのようですが、結局起訴されているのは2名だけ、残りの数10名については今後どうするつもりですか。

[273]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
この事件につきましても内ゲバ事件のむずかしさが出ておるわけでございまして、今回起訴になりました人物についてもほとんど供述が得られないわけでございますが、周辺から固めてやっとこの人物については立件することができたという状況でございますけれども、この事件につきましては目撃者もあるところでございますし、さらに全貌を解明すべく捜査中でございます。

[274]
日本共産党 諫山博
この事件で逮捕したというのは、警察が一生懸命捜査をして逮捕したというのじゃないのです。犯罪現場でその場でつかまえたのです。そしてそれ以後は1人もつかまえてないのです。違いますか。

[275]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
若干私たちがつかんでおります事実を申し上げますと、いわゆる委員御指摘の犯行後、犯行の翌日に検挙したのが1人ございます。それから3カ月以上経過しました9月20日になって2人、9月22日に1人検挙しております。

[276]
日本共産党 諫山博
この事件について加害者側の「前進」はどう言っているかというと、「正規戦で関西戦闘主力全滅 大阪市大で襲撃部隊35名掃討 碓井、米田ら3名完全殱滅」、3名殺したことを自慢しているのですよ。そしてそのときの犯行の模様というのはもう実に微に入り細にわたって報道されております。数10名の加害者がいることを承知しながらいまなおこれが解決していないというのはもう驚くべきことです。

この事件の起こったのは大阪市立大学の教養部正門前、時間は午前8時ごろです。たくさんの人がいたところなんです。

その次の事件というのは藤盛廣之の殺害事件ですか、6月19日。

[277]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
6月19日に品川区内で発生いたしました藤盛廣之死亡事件でございます。

[278]
日本共産党 諫山博
これは全逓の革マルの人ですが、何名被疑者がいて、何名逮捕して、何名起訴したか説明してください、数字だけでいいです。

[279]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
これは本人が自宅から出勤しようとした際に襲撃された事件でございますが、数人の中核派と見られる者に襲撃されたということでございます。捜査を進めまして、これまでに殺人、兇器準備集合で1人を検挙し送致しております。

[280]
日本共産党 諫山博
これは犯人は3名以上だったと思いますが、いかがですか。

[281]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
検挙しておる人物からもそこまでの供述は得られておりませんし、数人ということで特定するには至っておりません。

[282]
日本共産党 諫山博
事件が起こったのは19日の午後8時45分、品川区のにぎやかなところで多数の目撃者がいたはずですが、そうですが、その結論だけ。

[283]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
通勤のために駐車中の自己所有のオートバイに近づいたところをやられたわけでありまして、いわゆる出勤時間中でございますので若干の目撃者はあったようでございます。いや多数と申しますか、いわゆる若干の人が往来をしておった、こういう状況でございます。

[284]
日本共産党 諫山博
この事件についてその日の朝日新聞の夕刊は次のように報道しています。「近くの私立中延学園高校の女生徒たちは、窓から「やめて、やめて」と悲痛な叫び声を上げた。目撃者の話では、すぐわきの公園にいた子供たちは恐ろしさのあまり泣き出したという。現場を目撃した主婦(68)は「大きな叫び声がした。外に飛び出してみると、背広を着た3人の男が1人の男をなぐりつけていた。男がころんでも、まだなぐるのをやめない。人間をたたいているようではなかった」と話していた。」

これは記事の一部ですが、この事件で犯人の1人が検察庁に送られたそうですが、検察庁どうしましたか。

[285]
政府委員(法務省刑事局長) 安原美穂
去る14日に送致を受けまして目下勾留、取り調べ中でございます。

[286]
日本共産党 諫山博
いつごろ送致を受けたのですか。

[287]
政府委員(法務省刑事局長) 安原美穂
ただいま申しましたように、今月の14日でございます。

[288]
日本共産党 諫山博
とにかく見物人がいるところ、高等学校の女生徒がやめてやめてと叫び声を出している、そして奥さんたちも見ているというようなところで事件が起こって、ようやく1人逮捕したというのではもうとうてい私たちは納得できません。

そこで、時間の関係ではしょります。警察にもう少し聞きますよ。

6月24日に石井真作というのが殺されましたね。この事件で被疑者は何名か逮捕者は何名か、起訴者は何名か、数字だけ答えてください。

[289]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
本件は静岡県伊東市の……。

[290]
日本共産党 諫山博
内容は結構ですから。委員長、私、少なくともことしの事件は全部聞きたいと思うのです。ですから、結論だけ答えさせてください。

被疑者は何名で、逮捕者は何名で、起訴者は何名か。

[291]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
いわゆる被疑者は10数人と見ております。逮捕者につきましては、さっき申し上げましたような状況で、電話線を切断し……

(諫山委員「あるかないか答えてください」と呼ぶ)

逮捕者を得るには至っておりません。

[292]
日本共産党 諫山博
これもやはり本多書記長に対する復讐戦だということは彼らの機関紙を見ればよくわかります。

7月17日に甲斐栄一郎という人が殺されております。これは新聞で大変問題になった加藤登紀子さんの別荘での事件です。襲ったのは20人くらいだと報道されております。被疑者は何名か、逮捕者は何名か、起訴者は何名か答えてください。

[293]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
7月17日の事犯でございますが、これにつきましては324人を逮捕しております。

[294]
日本共産党 諫山博
それは甲斐栄一郎の事件ですか。

[295]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
はい、甲斐栄一都の事件でございます。

[296]
日本共産党 諫山博
いまの加藤登紀子さんの事件というのは間違いですから、これは訂正します。

これはいわゆる新橋事件ですね。この事件では何名起訴されましたか。

[297]
政府委員(法務省刑事局長) 安原美穂
いま警察がお話しのように、324名の送致を中核、革マル両派から受けまして、多くは革マルでございますが、求公判といたしまして36名、中核13名、革マル23名。暴力行為、傷害、威力業務妨害。あと家裁送致が7名、起訴猶予281名でございます。

[298]
日本共産党 諫山博
この事件では死亡者がいたはずですが、殺人事件では起訴していませんか。

[299]
政府委員(法務省刑事局長) 安原美穂
検挙されました犯人の中でこの殺人に加功したという者の発見には至っておりませんので、傷害致死、あるいは殺人で起訴はいたしておりません。

[300]
日本共産党 諫山博
警察はずいぶんたくさん逮捕したようですが、殺人犯人はついにわからないままですか。

[301]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
警察といたしましては、殺人、傷害等で送致をしたわけでございますが、検察段階での御処置については、刑事局長御答弁のとおりということでございます。

[302]
日本共産党 諫山博
その次に起こったのは10月27日の梅田順彦という殺人事件ですか。

[303]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
10月27日に東京大学教養学部構内で発生いたしました梅田順彦殺人事件でございます。

[304]
日本共産党 諫山博
これは被害者は東京大学の学生だったのですが、被疑者は何名か、逮捕者は何名か、起訴者は何名か、それだけ言ってください。

[305]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
本件は、被疑者は数名ないし10数名と見ておりますが、発生して、現在目撃者を確保して犯人を割り出すべく鋭意捜査中の段階でございます。

[306]
日本共産党 諫山博
結局一人もつかまえていない、一人も裁判には送っていないということですね。これもやはり復讐事件の一つですか、どうですか。警察はどう見ていますか。

[307]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
これは一つの判断でございますが、6月24日のさきの静岡県伊東市での事犯がございましたけれども、これ以降いわゆる反帝学評系が革マル系に対する党派闘争を強めておることは事実でございます。10月6日にも立正大学の構内で同大学の革マル派糸の活動家が反帝学評系と見られる者に襲撃されて死亡しておりますが、その後10月27日に本件が起こったということでございます。

それ以上のものは持っておりませんけれども、判断としては、6月24日の事件が一つの端緒となったと申しますか、それによって強められた両派の党派闘争の一環として起こった事件であろう、こういうふうに見ております。

[308]
日本共産党 諫山博
とにかくこれだけの事件がいまなお処理されていないというのは大変なことです。

その次の事件は、国学院大学の学生である田中玲彦が殺された事件ですか、どうですか。

[309]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
9月12日に埼玉県で発生いたしました田中玲彦殺害事件でございます。

[310]
日本共産党 諫山博
この事件では被疑者は何名で、逮捕者は何名で、起訴者は何名ですか。

[311]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
これは被害者が帰宅途中に中核派と見られる数人に襲われた事件でございます。警察では現在鋭意捜査中の段階でございます。

[312]
日本共産党 諫山博
「前進」ではこの事件について「断末魔のカクマルに容赦なき猛攻撃 国学院田中を完全殱滅」、こういう表題のもとに赫々たる戦果を誇っておるのです。余りいやらしい記事が続きますから私はここらあたりで打ち切りますが、そのほかにもう死亡事件はことしはないですか。

[313]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
さきに少し触れさせていただきました10月4日に立正大学の構内で起こりました事件がございます。

[314]
日本共産党 諫山博
その事件では被疑者何名、逮捕者何名、起訴者何名ですか。

[315]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
本件につきましては、革マル系の活動家と見られる被害者が反帝学評系と見られる数人に襲撃をされたという事件でございます。被疑者の点については鋭意捜査中でございます。

失礼いたしました。10月8日でございます。

[316]
日本共産党 諫山博
だれかつかまりましたか。

[317]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
現在捜査中の段階でございます。

[318]
日本共産党 諫山博
私はことし起こった殺人事件だけを拾い上げたわけですが、この中で完全解決した事件はありませんね。ありますか。

[319]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
まず申し上げますと、5月25日に岡山大学構内で起こりました事犯がございます。これは……(諫山委員「結構です、それはもう完全に解決したわけですね」と呼ぶ)これは21人を検挙いたしまして11名を手配しておりますが、これによって一応全貌を解明しておる、こういうふうに見ております。

[320]
日本共産党 諫山博
岡山大学事件以外に完全解決した事件がありますか。岡山大学事件は私も知っていましたから聞かなかったんですが。――答えがないからもう私が言いますが、完全解決の事件はないでしょう。完全解決どころかほとんど解決していない。殺人罪で起訴されている事件はあるけれども、これは警察がつかまえたんじゃなくて通行人がつかまえたんだ、こういう状態です。

私たち共産党が、トロツキスト暴力集団を政府は泳がしているという表現を使っていることは、警察も公安調査庁も法務省も法務大臣も御存じだと思います。私たちは根拠なしに、トロツキストを泳がしているというようなことを言っているんじゃありません。これだけの事件が起こった。事件が起こって、公然と自分の戦果を誇示している。しかも、機関紙を見ればわかるんですが、だれそれをやるんだと名指しでずっと名前が出てくるんです。そして、ことしの10数件の事件でどうにか完全解決したと警察が言っているのは岡山大学事件だけだ。これを私たちは泳がせ政策だと言っているわけです。

結論として、法務大臣、いまの事実に基づいてどのように対策を立てるつもりか。私はこの問題は系統的に追及しますから、最後に法務大臣の決意だけを説明してください。

[321]
法務大臣 稻葉修
法務大臣の方は直接……

[322]
日本共産党 諫山博
そんなことを言って済みますか、警察はおれが指揮するんじゃないというような言い方じゃ通りませんよ。

[323]
法務大臣 稻葉修
とにかくしゃくにさわる事件だとは思っております。それから、これは検察を通じ、警察と密接な連絡をとって徹底的に挙げてやらなければならぬ。あなたは私に質問しておいて聞かなければだめだよ。

まことに残念なんで、しかも共産党から、トロツキスト集団を泳がしているという酷評を受けるに至ってはざんきにたえない。われわれは何も、こういう者を泳がして何の利益がありますか。不名誉至極じゃないですか、治安当局としては。泳がしているというようなことは断じてありません。これから一生懸命に御期待に沿うようにやります。

[324]
日本共産党 諫山博
私たちはたくさんの証拠を持って、泳がしていると言っているんです。たとえば4・28の沖縄デーの起こったときに中曾根さんはこう言っています。佐藤内閣を支えているのは反代々木系学生だという見方もある、彼らの暴走が反射的に市民を反対に回し自民党の支持につながる作用を果たしている。中曾根さんが言っているんです。うそだと思ったら中曾根さんに聞いてみなさい。

例の東大事件が起こったときに坂田道太さんはこう言っています。三派系全学連よりも一層警戒すべきは日共系民青の動きだ、東大などでも妥協を急ぎ過ぎてはいけない。坂田さんがこういうことを言わなかったかどうか、坂田さんに聞いてきなさい。

私は、大分長くなりましたから結論だけ申し上げます。恐らく法務大臣もこれだけの事実があるんだということは御存じなかったんじゃないかと思います。委員長、知っていましたか。これだけ深刻な事態があるんだ。そして全く解決の道はいまのところ見出されていない。このことを警察も法務省も十分念頭に置きながら、また次の機会に私、質問しますから、そのときはこれだけ処分いたしましたということを堂々と言えるように捜査してください。

以上で終わります。

[325]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
諫山委員から御指摘があったわけでございますが、実は内ゲバ捜査のむずかしさということをるる申し上げたわけでございますけれども、先ほどちょっと触れましたように、44年から48年までに発生した分は、46年12月の三重大で起こりました事件を除きまして、全部解決しているわけでございます。

昨年発生した事件につきましても、昨年の1月24日に警視庁の北沢署管内で起こりました、これは革マル派の東大生2名が友人の引っ越しの手伝いをしておって、中核と見られる者に襲撃された事件でございます。これは1年かかって、ことしの1月に2名、さらに3カ月後の4月に2名検挙して解明をしております。

それから昨年の2月の8日に琉球大で起こりました、これは中核派が一般学生を革マルの幹部と誤認して襲撃して死亡させた事件でございますが、これも10カ月後の12月に解決しているわけでございます。

被害者側の協力が得られない、それから夜中の一軒家でしかも電話線を切断して瞬時にして襲うというむずかしい状況の中でございますので、捜査期間が経過するのは残念ながらやむを得ない事情でございます。未解決事件も、いま申し上げましたように去年とことしに発生の分がすべてでございますので、鋭意努力をして、今後も解決に努めてまいりたい、このように考えております。



[328]
説明員(警察庁警備局公安第三課長) 福井与明
決して私たちも内ゲバに手をこまねいているどころか、全力を挙げているわけでございまして、去年とそれからことしの9月末までで、極左関係の取り締まりで333名の警察官が実は負傷しております。その中には、さっき御指摘の5月の7日に鹿児島で起こりました事件でございますが、これは現場にたまたま出勤途中の鹿児島県警の本部員が出会わせまして、素手で鉄パイプを持っている犯人に立ち向かって、胸を強打されて2カ月の重傷を負っております。それから7月17日の例の新橋駅での中核、革マルの遭遇戦でも、真っ先にかけつけました愛宕署員は検挙活動で6名負傷しておりますが、重い者は3週間、軽い者でも1週間の負傷をしております。これまでにもう殉職者を出したり、警察の最高幹部が家族を彼らに殺害される等の状況を経ながら全力を挙げて取り組んでいるわけでございまして、その警察の取り組みぶりはひとつ御理解いただきたいと思います。